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RIK SQUARE! 2017を終えて

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昨年2017年の11月に外構エクステリア、造園に特化するCADメーカーのリックさんに声をかけて頂いてRIK SQUARE!2017で広島と仙台で講演をさせて頂きました。
今更ですが、業界紙「エクステリアワーク」でその時の様子が載っていたので、改めて振り返ってみたいとお思います。
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23516035_10214060185080584_776656811_o広島会場はこんな会場で70名程来て頂き、始まりました。

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23484484_10214060185760601_1135908909_o仙台会場は80名程来て頂きました。
どんなことを話したが軽く触れてみたいと思います。
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自己紹介から始まり、なんで今の仕事スタイルになったということから話しました。
写真は、建築家吉村順三氏の軽井沢の山荘の入り口付近です。当時、建築のプランニングの仕事をしていた時、訪れました。「小さいな森の家」という吉村順三氏の本もみたりしていました。八ヶ岳倶楽部などにも好きで通っていたのですが、共通することは外の雑木林が心地良いということでした。そこで思ったのが、心地良さは、家の中より「外」にあって、自然の中に溢れているんじゃないかということでした。

リックスクエア2017  1そこで、僕は、住まいを「外」から考えることを大切に、自然を感じる心豊かな暮らしを追求していこうと思いました。特に、緑の力を生かした外回りから考える心地よい住まいや空間を外構や造園という立場から提案する仕事をしていきたいと思いました。
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今は、
『雑木の庭』と『地形を活かす外構デザイン』の2本のコンセプトを軸に取り組んでおります。
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『地形を活かす外構デザイン』のコンセプトでデザインしていくとプランニングの工夫で十分にコストダウンが測れます。外構の予算は住まいづくりで最後の方に当てられ予算を削られやすい分野です。その中で限られた予算で外構を仕上げていかなければならないのですが、材料や商品の質を落として金額を抑えるだけでなく、造園的手法などを取り入れれば金額を抑えることができます。
外構で費用が嵩むのは構造物を作ること、コンクリートを多用することだと思います。そこをなるべく少なくプランニングすることが一つコツになってくると思います。
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『雑木の庭』においては、雑木を植えていれば『雑木の庭』という訳ではありません。作り込む庭というよりは自然の植生に習って、樹種や配置、組み合わせを考えて自然に近づけるように庭をつくっていきます。写真は、軽沢高原の雑木林です。
こういう雑木林の風景が人には馴染みやすく心地よく感じると思います。この素敵な風景を作っているのは、色鮮やかに紅葉している木々だけでは作れません。写真では全ての枝葉が収まりきれない大きな樹木や低木や下草があります。全ての植物が欠かせないのです。もっというと落ち葉も必要なのです。高木が強い陽射しを遮ってくれ中木に優しい光を届けてくれます。低木や下草は高木類の根元などに強い日差しや強い風を遮ることもしてくれています。落ち葉までもが地面の乾燥を防いだり、微生物や小動物の住処を提供してくれたり、また、強い雨が直接土を叩かないように保護もしてくれています。お互い守り合いながら生息しているのです。全ての動植物があってこそ、この風景を作ってくれています。一つも欠かせないのです。人の社会も同じだと思うのです。人はやはり1人では生きていけません。また、誰かを追い出すのではなく、みんなで無い力を補いながら生きていくべきだと思います。自然界も同じです。木1本では生きていけないのです。木も本来はいらない木は無いと思うのです。
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だから、一般住宅のお庭でも同じように植え付けることが必要となってきます。
高木、中木、低木と階層的に更に密植して混植してあげることが大切です。
すると、木が健康的に生育しやすく、僕ら人にも心地よい空間を与えてくれます。木々に囲まれれば、微気候改善もでき、夏でも過ごしやすく、冬は日差しを取り入れ暖かく過ごせます。
緑など自然の力を借りた方が心から豊かさを感じられる暮らしができると思います。
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しかし、自然に習った植栽をしても木が傷み出すことがあります。植栽するときは、地上のことだけでなく地中も考えてあげなければなりません。
今、僕は、『大地の再生』という活動をしてますが、地上には風が吹いたり雨が降ったりする空気と水の対流があります。それが地中の中にも同じように空気と水の循環があるということです。しかし、今のコンクリートやアスファルトに覆われた現代土木や建築の中では、空気と水を通す水脈が滞っている状態です。
そんな中でいくら土壌改良や肥沃な土を入れ替えたり肥料を与えたりしても意味がないのです。
地中に空気と水が循環できるような水脈改善をする必要があります。
表層地質と土壌と地形と大きく関わりながら、有機的な空気と水の循環が生み出されるところに動植物が呼吸できる環境が生まれてきます。傷んでいる木も地中の空気と水の流れを改善してあげれば植物の根の呼吸も再開し元気になってくるのです。
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最後に、大きなテーマですが、外構や造園に捉われない提案をこれからしていきたいと話をさせて頂きました。
心地よい住まいや空間を提案していきたいという思いで、『雑木の庭』と『地形を活かす外構デザイン』に取り組んでいるつもりですが、これからはこれに加えて『心豊かな暮らし方』の提案もできればと思っております。
物も豊かで手に入りやすい時代になりましたが、それが本当に幸せか、心まで豊かな暮らしかというと疑問に感じることもあると思います。
人都合の考えで空間づくりをしてきた結果、自然環境は荒れ、災害なども起きはじめてきています。これからは、自然に寄り添った空間づくりや暮らし方が必要だと思います。それが結果、人にとっても過ごしやすい環境になり豊かさを感じられることになってくると思います。

 

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