夏の「涼」を雑木で楽しむ
やわらかな木陰で、地表を涼しく
空に向かって枝葉を広げる樹木は、日差しをさえぎり、木陰をつくってくれます。そうすることで、人にとって心地良いだけなく、地表が熱くなるのも防いでくれるのです。たとえば、直射日光に照らされたアスファルトは、熱を蓄積して街全体の温度を上げてしまいます。住まいの周りに雑木の庭をつくることは、地表を涼しく保ち、涼しい夏をもたらしてくれます。
木陰の風が涼しくなる空気循環
夏の暑い日に、大きな木の下で涼風を感じたことはありませんか。実は、陰だから涼しく感じるのではなく、実際に「風の温度」が低いのです。風の流れは、温度差の影響を受けて循環します。樹木の日陰に上空の冷えた空気が降りてきて、温度の高い日なた側に抜けていきます。そして、また空に上がっていきます。つまり、空気の循環によって、木陰には常にひんやりとした風が吹き抜けるのです。
葉からの蒸発による気化熱の発散
夏になると、樹木は自らの体温が上昇しすぎないように、たくさんの水を葉から蒸発させます。根から吸収した水分を蒸発させることで、樹木の温度を下げるだけでなく、周りの熱を逃がしてくれます。こうした自然の知恵は、人間にも恩恵をもたらせてくれるのです。