ゆの里
ゆの里露天風呂緑化工事 36時間の耐久工事
大地の再生工事で畑や駐車場エリアの環境改善に入らせていただいている和歌山県のゆの里。
今回は、露天風呂のバルコニー緑化の工事をしてきました。
休館日を利用して、ゆの里36時間耐久露天風呂緑化工事(笑)なんとか形にすることができホッとしました。
写真は、資材搬入時の様子。
建物角のすりガラスのところに緑化していきます。

そんな、呑気なことは言っていられず、A班B班に分けたチームで代わり代わり作業していくも途中からヤバイ、これは間に合わないんじゃないか?!予定の休息時間も早々に切り上げ全員出動。みんなフラフラ状態(笑)矢野さんはというと、A班B班入れ替え時に少し休んだだけ。ほぼ、ぶっ通し作業。そう、コンクリートの上の植栽は、脈づくりが肝。そして、高木の配置バランスは矢野さん頼りになってしまう。裏返せば、まだだま僕らスタッフの力には任せられない分、矢野さんへの負担が大きくなってしましました。
ひとまず、区切りになり、再び矢野さんを起こしにいく。
と思いながらも、自分自身は、どうなのか?と問いただしてみると、やっぱりまだまだなところはあり、この程度でいいんじゃないかと思って、もう一歩踏み込めない自分がいたりするのが明らかになった現場でした。矢野さんをゆっくりと休ませることがまだできない。任せてもらえる位のレベルにもっていかないといけないんだなと、課題も見つかった現場となりました。
全体的に空気と水が循環するように脈が機能すれば、ひび割れに根が壊すように侵入するのではなく、根が全体的に一様に広がるようにし、ひび割れを守るように働かせる。ここが今回の工事でポイントでした。
コンクリートの上で息のしやすい循環の機能を作り、それを保つことができるのか、そしてコンクリートを守ろうとするのか壊しに行くのか、生態系の循環機能をコンクリートの上で植物と有機物、土と石のバランスをみて作っていくことが最も重要でここで必ず抑えなければならない難しい工事となりました。
ゆの里、重岡社長と巡る「森moriと海umiを繋ぐ道」 ~ 静岡遠州、塩の道、お水の講座 ~
ゆの里、重岡社長と巡る「森moriと海umiを繋ぐ道」
~ 静岡遠州、塩の道、お水の講座 ~
立夏の後、静岡はちょうど八十八夜を超えて、新茶摘み真っ盛り。
若葉が光り、新茶が香る街道を、海から山へと進みます。
出発は、静岡遠州、最南端の御前崎の岬。目的地は、南アルプスの南端、遠州最北の地、水窪町。
主催:くわひとつ
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●開催:5月7日(土)、8日(日)、9日(月)
※9日および、お話会以外は、関係者、招待者のみのプログラムとなります。
・問い合わせ
主催:くわひとつ(フェイスブックページにて告知、公募)
こころ現代民家研究所(株)山下:0537-28-7040・メール:kokoro@minken.jp
(株)ナインスケッチ 田中:tel:0534351235 ・ mail:contact@9sketch.com
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■5月7日(土)午後 ※一般参加、お話会(会場定員60名程度、ZOOMリアル配信あり)
大地の再生inゆの里 報告会「表層5センチのキセキ」(菊川赤レンガ)
・第1部:くわひとつ 田中俊光 ・第2部:ゆの里 重岡昌吾
◎参加費:¥3500/1講座/大人(各サイト等で告知、Peatixチケット販売、大地の再生に告知
(ZOOM参加 \3,500 大学生\1,000 高校生以下 \500 ※ZOOMの後日配信はありません)
◎お話会:15時~18時30(受付開始:14時30
・会場:菊川赤レンガ倉庫:静岡県菊川市堀之内1425(JR菊川駅より徒歩4分)
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■5月8日(日)午前 ※一般参加、お話会(会場定員40名程度、ZOOMリアル配信あり)
ゆの里 重岡社長の「森と海をつなぐお水の話」(秋葉山)
◎参加費:¥3500/1講座/大人(各サイト等で告知、Peatixチケット販売、大地の再生に告知
(ZOOM参加 \3,500 大学生\1,000 高校生以下 \500 ※ZOOMの後日配信はありません)
◎お話会:10時~12時30(受付開始:9時30
・会場:まろや:静岡県浜松市天竜区春野町領家907(秋葉神社下社より徒歩8分)
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□5月8日(日)午後、秋葉神社上社訪問 ※関係者およびスタッフのみ
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□5月9日(月)水窪めぐり ※関係者、招待者、スタッフ のみ
以上。
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■ 参加費 ¥3,500 /1講座 ※全て税込、原則、事前決済とします。
●下記チケット販売サイトで参加チケットを購入するか、関係者に直接お申込み下さい。
(チケットは、7日、8日、別々にご購入下さい。※お話会の内容が異なります。)
■ 5月7日(土)お話会チケット
https://daichitomizu0507.peatix.com/
■ 5月8日(日)お話会チケット
https://daichitomizu0508.peatix.com/
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◎天然温泉「ゆの里」について
和歌山県橋本市にある、知る人ぞ知る、天然温泉「ゆの里」
高野山のふもとにある、弘法大師ゆかりの土地に、金水、銀水、銅水、という三つの水が湧き出ています。違う性質の、それぞれに違う「機能(働き)」を持つとされる三つの水が、同じ所にあるのが確認されているは「ゆの里」だけと言われています。この水を求めて、今、全国から多くの人々が集まっています。
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◎ くわひとつ が進める 「大地の再生とは?」
地上に空気と水の対流があるように、地下にも同じように、水だけでなく空気も流れています。地下も空気が無いと、酸欠状態となり、土は腐り、ヘドロ化し、微生物や小動物が住めなくなり、植物は根を伸ばす事ができません。各地で起こる、土砂災害や山林崩壊は、大地自らが空気を取り入れる為の現象でもあるのです。「大地の再生」では、土中の水と空気の循環を考え、大地を健全に、自然環境を改善しようという取り組みをしています。
「くわひとつ」は、「大地の再生」の地域グループとして、菊川市、牧之原市を中心としたフィールドで活動しています。 循環する環境づくり、地域づくり を「大地の再生」視点で取り組んでいます。
表層5cmのキセキ 「大地の再生 in ゆの里 大地の仕組みと水の仕組み」 2日目
2日目は、いよいよ、ゆの里さんの敷地に手を入れさせていただきました。
その前に、地鎮祭を行いました。
矢野さんは、「杜」という字を大切にしています。
「杜」とは、この場所を傷めず、穢さず、大事に使わせてください。と人が森の神に誓って紐を張った場。
そんな想いを込めさせていただき、また、この地鎮祭を行った場所は、銅水も湧き出る場所でもあり、ゆの里の社員さんにもむやみに立ち入りさせない場とし、大切に管理させれている場所。研究所も建物の南を開く配置ば一般的ですが、どうしてもこの場所には建築はできないとのことでこの場所(北側)を開けるように配置した経緯がある場所です。土地に対しても真摯に向き合うゆの里さんの思いも受け止め、手を入れさせていただきます。
たくさんの方が参加してくれました。ゆの里さんの敷地も広いので、事前に矢野さんとゆの里さんと見立てをし大きく四つのエリアに班分けして作業に取り掛かります。
それぞれの場所での作業は基本的には移植ゴテを使った手作業になります。
表層の5cm〜10cm程度移植ゴテで穴を開け炭とチップをまく作業になります。
本来でしたら、地上からの大気圧によって勝手に空気と水が浸透していくところですが、周辺のコンクリートやアスファルトなどの構造物の圧によったり、人の土地利用によって表層に泥アクが溜まり表層が膜を張るように空気も水も浸み込んでいかない状態です。そこにわずかな地形の落差をつけ、空気と水が浸透しやすいようにキッカケをつくる作業になります。
大地の再生の環境の見方は前にも述べたように大地と生物と気象の環境が相互作用をもたらしながら成り立って、またそれらは宇宙エネルギーの影響も受けています。この環境のファクターがうまく作用するように手を入れていきます。
その大地の表層に地形の落差を作り、空気と水が表層で動きやすいようにしていきます。すると、周囲の草が反応し根が伸び出します。根が伸びればまた空気と水が循環しやすくなり、土壌も団粒化が進み、大地は安定し更にひとつ深いところまで空気と水も循環し、今度は低木、中木、高木とまた土中の微生物や菌糸、小動物とスクラムを組み出しプラスの連鎖が生み出されます。
マイナスに働いていたところを少しプラスの方に向けるキッカケを僕ら人が行い、自然に繋いであげれば、あとは自然が勝手に循環してくれます。ただ、またマイナスに戻らないように日常の観察、メンテは必要になってくるとは思います。
前日に、重岡社長は、水は、共鳴してている。循環している。と話してくれました。
宇宙の銀河の渦流の世界に倣って、渦を作るように点穴を開けていけば、表層でやったことが深層にもまた、他の場所でも同じパターンとなって連鎖していくフラクタルな現象が起こってくることを期待します。
矢野さんも話してくれました。
ここゆの里のエリアで表層5cm点で穴を開けていけば、大気が大地に浸透して古い空気が抜けて水も動いて連鎖反応が起きてくる。紀ノ川の本流に対してまずはその支流の脇の水脈につながっていく。
見えないところで波動や振動が伝わる機能を持っているから、血管で広がっている脈が下流から本流まで流域全体につながり紀伊半島の紀ノ川流域にだんだん伝わっていく機能を持っている。
と話してくれました。
そして、午後からは、今回のメインイベントと言っても過言ではない、「大地の再生矢野さん」と「ゆの里重岡社長」の対談が始まりました。
矢野さんから午前中の作業がどんな意味があるのかお話ししてもらいました。
上空からの大気の重みがかかると本来は大地の中に空気が浸透いていくが人の日常的な土地利用の中で表層で膜を作り大地に浸透しなくなっている。そこで、大地の表層に膜ができている5cmのところに穴を開け、大気の空気を大地に送り込みまた、大地の中にこもっている空気を入れ替えるように作業してあげた。そうすると今度は、植物の根の動きや小動物が穴を掘るなどの日常生活と連動してプラスの循環に働いてくる。
また、この場所は地図データを見ながらどんなところか話してくれました。
紀ノ川の本流が大きく蛇行を繰り返すS字蛇行しているよう場所で、こういう場所は、水脈の圧を受けている場所である。蛇行し、等速等圧状態を保とうとしている。また、隣に吉原川が流れていて本流と支流の合流している複合的な水脈環境である。
また、高いところと低いところを繋ぐ段差の場所でもあるのがここゆの里の敷地。こういう圧のかかる場所は斜面変換線で脈ができているのですが、ここに表層5cmの穴をあけ空気を送り込むようにし、ゆの里の敷地だけでなく、支流と紀ノ川の本流流域にも繋がる作業になってきたと思います。
次に重岡社長から嬉しい報告がありました。
ゆの里のお水はポンプアップして汲み上げているのですが、どうしても、ポンプの周りに土が付着して吸い込みが弱まってくるのですが、そろそろポンプを新しいものに入れ替えないといけないなーと思っていた頃なのですが、先ほど、見たらほぼ最初に入れた頃のアンペアに戻っていました。あまり考えられないこと、何があったのか?と考えると、皆さんの作業がありました。たった数時間で結果が出ました。ここの水は分かりやすく教えてくるのです。
表層の改善をすることで、深層の泥アクが取れたのです。物理的現象が確認できたことに驚いています。と嬉しい報告がありました。
まさに、表層5cmの奇跡ですね!矢野さんが言ってたことが実現しました。
今は、コンクリートなどでエネルギーを止めてしまっているが、考え方を変えれば止めたことによってポテンシャルはあり、これを活かしていけば大きな変化を起こせるのではないか。小さな動きを起こせば差を生みだし渦を起こせば全体がつながってくる。希望はたくさんある。
しかも、日本は、山があることによって高低差がありポテンシャルを持った地形である。
そこに正しい向き合い方を持てば全てが動き出すのではないか。だから日本が恵まれているのではないでしょうか。
とも話してくれました。
矢野さんは、日本列島の話まで膨らみます。
世界で見れば日本は大陸の東岸で淵にあたる場所であり大きな大陸の脈にあたる場所であると話してくれました。
地震も絶えない地であり、季節風、海の海流なども地球規模の渦が交差する場所である。だから、世界でも有数の生物多様性の地域だと言える。
そして、ゆの里は、紀ノ川の地下水脈の千m級の地下水脈、その支流の吉原川の十数mの表層の水脈、それらを繋ぐ中間層の水脈があり、金水、銀水、銅水が同時に集まる地域であり、日本の縮図のように捉えられる。と話していました。
重岡社長は、午前中の作業を矢野さんと一緒について回られたそうですが、
穴を開けるときは大中小、深さや大きさが違うものを作り、掛け算を生むように手を入れて行った方がいいと矢野さんが話をしていたことに対して、「水の働きも掛け算なんです。」と話してくれました。
水に音を聞かせると影響を与えられる。
振動の倍音の組み合わせによって掛け算的に桁を上げていく、
土をスコップでコンコンと与える音だけでも水、大地に影響を与えることがある。一つの同じものだと掛け算にできない。それが三つの大きさが違うものを組みわせると掛け算になる。
太陽と空気と水の動きがやっている天然の混ぜ方が渦を産み良い風化の状態をもたらしてくれる。
同じ材料や道具を使って同じ場所でやっていも、雨や風にならった混ぜ方でないとダメだと。という矢野さんの話に対して、
重岡社長は、
輪のサイクルと渦は違う。ちょっとのズレで渦ができる。ちょっとしたゆらぎの幅が狭いほど繊細な差を生み出し安定した質の良いものができる。
差が大きいと破壊のエネルギーになってしまう。ほんの少しの差で変化していく、ちょっとずつ変化していくことが風化というようなもので質が良いということ。
質が良いのは差があって多様性が良いということ。自然界は、多様性を持っていることが質が高く、多様性があるということは、全てと関係性を正しく築ける。
矢野さんは、
流域で見ると最も多様性で豊なのは湿地帯である。空気と水の循環は最も緩やかであり、土の粒度は小さく、隙間が小さい。だからゆっくり動く。ちょっとずつの動きが質を高く、多様性を生み出しているのでしょう。
話は、どんどん展開していきます。
朝日と夕日の違い、朝日は植物の情報を持っている水を多く含む光だから生命に欠かせない活力などのエネルギーを含んでいる。
と重岡社長は話してくれました。
また、矢野さんは、風の草刈り、風の剪定では、植物の間を通っていく風が程よいリズムになるように仕上げるのですが、
水槽の中で藻の中を泳ぐ魚を見ていて分かったことでもあるが、陸でも植物の間を通っていく風が命を育む空気流として生まれ、植物の間を通ることで生まれる空気と水の対流のリズムで質が変わる。
といいます。植物がないと命を育む空気と水の対流が生まれないのではないか。
魚の話にも展開していきます。
魚の鱗によって体の周りに渦が生まれ、後ろから前に押し出す渦が生まれだしだから魚は俊敏に動けるのです。
魚は、水圧とか大気圧など圧力のエネルギーを使い分けているのではないか?と思っていたけど、納得しました。と矢野さん。
そこから、鯉の滝登りを例に挙げシャウベルガーの話にも移っていきます。
鯉は、川の一番冷たいところを泳いでいる。温度差を利用して渦を作りやすいところを泳いでいる。渦エネルギーを利用している。
地球上の一番のベースで同じリズムを刻みながら演奏している。宇宙からきているリズムは共通のものがあってそのリズムの上で自分達は違う響きを作って調和している。それが自然のあり方。
空気と水が生み出す渦流リズムに沿って全ての生き物や大地のリズムが音を奏で、振動させている。
大地、生物、気象、さらに宇宙環境を含めそれを生態系として見たときに宇宙の渦流の機能がこの地球の隅々まで同じようなものを作っているのだと思う。脈を見ると全て同じ形状。根っこ、葉脈も人の血管も、それは宇宙の渦のエネルギーからそれを醸し出す、宇宙機能に沿ったリズムが大切なのだと思う。
話は、一度だけ聞いては中々理解し難いことが多いですが、キーワードは、宇宙エネルギー、渦流、フラクタル、と言ったところでしょうか?
宇宙エネルギーが醸し出す、渦流のリズムとフラクタルなデザインが地球上でも必要で、それに則って自然がデザインされているのでしょう。
渦が生まれない直線的なコンクリートやアスファルトなどの人工物のデザインが自然にとっては調和ができず、それを整えようとしている動きが自然災害などになっているのかもしれないですね。人にとってはマイナスかもしれないが、自然にとっては普通のことなのでしょう。でも、コンクリートなどを使っても、そこに有機資材などを組み合わせて、差異を生み出し渦を作るようなデザインをしていけば自然も人も共存できるのではないかなと思いました。重岡社長は、地球温暖化は二酸化炭素を排出しているのが直接の原因ではなく、水を止めたことではないかとも話してくれました。水は、流れれば渦になる。渦ができると密度が上がり、温度が下がる。水が結合すると氷側に動くから温度が下がる。大地の再生では止めるのではなくよく、逃すとか抜くという言葉が出ます。正しい水の流れ、渦流を産むためにも止めるのではなく抜く視点も大切になりますね。
最後に、大地の再生作業をするときに意識とか気持ちはどうなんですか?と重岡社長から矢野さんへの質問が出ました。
矢野さんは、もう、単純ですね。とにかく命を繋ぐとか、取り留めるなど、それに気を置いている。
杜の語源。この場所を傷めず、穢さず、大事に使わせてください。と人が森の神に誓って紐を張った場。
ここに対する想いが大切で、大事に気持ちを置いて、諦めないでできるか。
諦めないで自分の気持ちと周りの生き物などの気持ちを受け止めながら大事にそのことに気を置く。
重岡社長は、
水は、環境に合わせれることによって、自分の在り方を決める。周りとつながったら自分の在り方が勝手に決まり、全てと繋がることができ全てと合わせることができる多様性なものである。
ただ、恐れや不安があると水は繋がることができなくなる。
恐れを持ってしまうと水は手を出せなくなる。怯えると引っ込めてしまう。自然体で関わっていれば、水は全てのバランスをとるようになっている。だから、恐れを手放すことが大切。
何かしなければならない、こうすべきだ。というエネルギーだと力が入ってしまい、自然体ではいられなくなってしまう。
すると、自分が傷つき、周りを傷つけてしまう。
まだ、意識が水を動かすということは、研究はまだ答えは出てないが、
恐れや不安を手放して純粋に自然のあり方に感謝する感覚だけで、関わっていくことで大きな循環を取り戻す近道ではないかと思っている。
自分の思いにどれだけ純粋性があるか。自分のためになるのではなく、そうことになったらいいよなという真心だけで関わることですごい力になる。それが、作業する上でとても大切だと思います。
一般社団法人を立ち上げたときに掲げた
四喜の精神
― 四者の喜びとなるように ―
一. 私
二. あなた
三. 講座で関わる地域(人社会)
四. 講座で関わる自然(生き物社会)
写真の矢野さんと重岡社長の笑顔が物語っていますが、
正に今回は、全てが喜び幸せを感じられたイベントとなったと思います。
主催者の一人として関われたことに幸せを感じます。
ゆの里さんの改善は始まったばかり。これから大切に繋いでいけたらと思います。
表層5cmのキセキ 「大地の再生 in ゆの里 大地の仕組みと水の仕組み」 1日目
春分の日の前日2日間 、様々な生命が動き出そうとしている時期に、高野山のふもとにある、弘法大師ゆかりの土地に、金水、銀水、銅水、という三つの水が湧き出ている「ゆの里」で大地の再生講座が開催されました。
「ゆの里」は、この水を科学的にも解明しようと、水の研究施設「ゆの里アクアフォトミクスラボ」も併設し世界中からも科学者が集まるというところでもあります。
大地の再生は五感を大切に感覚作業、感覚測定で改善作業を進めていますが、そこを水の科学視点で読み解いていく、まさに「大地の再生」と「ゆの里」それぞれの視点が渦流のように絡み合う、大地の再生創始者の「矢野智徳」とゆの里社長「重岡昌吾」の夢の対談が実現しました。
僕は、昨年7月に山下さんと河合さんに連れられて初めて「ゆの里」さんに訪れました。重岡社長の水のお話を伺い、水の視点すごい!大地の再生視点と一緒だなと感銘を受けたその後に、大地の再生の視点を重岡社長に説明させて頂きました。
それに対して、重岡社長はご丁寧に水の働きやシャウベルガーの視点なども含め解説していただき、大地の再生の視点は当たり前のことでわかりやすく、たくさんの人に知ってもらうべきですね。とおっしゃって頂いたのが始まりでした。
12月には、矢野さんもゆの里さんへお連れし、重岡社長と矢野さんと意見交換の場をセッティングさせて頂き、気付けば4時間を超えるほど、、夢中に話していました。(笑)
矢野さん自身も今までやってきた五感作業が、科学で証明できるかもしれないと喜ばれてたのが今でも浮かびます。
そして、この話をもっとたくさんの人にも共有したいと思い、今回のイベント開催に繋がりました。
初日最初のプログラムは、大地の再生矢野さんのお話会です。
まずは、いつもお馴染みの大地の再生視点の環境の見方からのお話です。
地球環境は、大地と生物と気象の3つでまとめられ、更に地球環境を大きく取り巻いている掴みどころのない宇宙環境が存在している。
宇宙環境がこの3つの地球環境を動かしているので、宇宙環境を確認しながら地球環境も見ていく必要がある。
ここが重岡社長の水の話ともリンクしてきますね。宇宙の果てしない渦の世界が、水や空気の渦流ともにフラクタルで形成されているということ。
人の開発によって大地の環境が傷められ、大地の脈に泥あくを生み出し、生物環境や気象環境へはね返り、結果として異常気象や異常に生物が多発したり、土砂災害などが起こったりと環境全体としておかしな状態になってきている。
環境全体としてその分野で起きていることを一つ一つ突き合わせながらなぜそれが起きているのかを見ていくことができていない。
専門特化している中で他のことに気を回していくのができなくなっていて、それに関連することが見えなくなっていることが問題である。
今の社会は便利を追求して反面、身近な環境が見えなくなってしまった。
都市の環境整備、里山、奥山の整備、地域のそれぞれの場所にあった空気と水の循環機能をもう一度見直して取り組んでいかないといけない。
自然の機能に沿って、自然も人もお互いに譲り合うような視点で、人中心に度を超えない土地利用をし、自然の無言との対話を積み重ねていくような付き合い方を見直していかないと環境がおかしくなっていく。
昔の人は、空気と水の循環を人の暮らしの中に応用していた。もう一度昔の人の知恵や文化を掘り起こし、地域らしさを見直していく、今の時代にあった流域社会のあり方や連携の仕方が見えてくるのではないかと思う。
最後には、水の研究と大地の再生の視点が実用的なところでスクラムを組みながらできるといいですね。
と締められました。
続いて重岡社長のお話です。
ここゆの里の地は、空海が高野山を開く100年前の聖地という場所で、金水、銀水、銅水という三つの不思議な力を持つ水が湧き出る場所です。
高野山に通う人からここの水は不思議な力を持っているというのが広まり、それは空海様が予言していた水ではないか。神野々の下にすごくいいお水ががあって後に多くの人が救われる水がここにあるという言い伝えがあったと言われています。
そして、このお水で病気や火傷がよくなったという様々な体験も届いたそうです。
ゆの里の成立ちのお話から始まり、水耕栽培の挑戦のお話や「アクアフォトミクス」という共同研究を始められ、更には科学的な専門的な興味深く、大地の再生の視点とリンクするお話が聞けました。
水耕栽培を通して、微生物は環境に併せて必要なものが増えていく、ということがわかったそうです。
葉っぱが黄色くなってしまったから窒素を入れてみたでも、窒素を好む菌が増えてしまった。逆に窒素を入れなくすれば空気中の窒素を固定させる微生物が増えた。
結局は空気と水が循環しないと生命体はダメになってしまう。自然って面白い、人が手を加えることでダメにすることがいっぱいあるんだなと感じられたそうです。
光と水の関係性を読み解く科学である「アクアフォトミクス」という研究では、水の関係性を調べれば、病気の診断もできる。水は全て繋がっているので、情報を共有している。
水というのは、必ず周りと繋がり、ネットワーク社会をつくっている。水の構造が機能を決める。同じ成分が入っていても全然違う、というお話が聞けました。
水には「ジェル」のような水もあるというお話。
水は、液体、固体、気体だけでなく、液体と固体の間のジェルのような水もある。
このお話は、普段土を扱っている僕らにして、すごく興味深いお話でした。
土の中でも、水は勾配に関係なく勝手に流れるということです。
水分子と馴染む物質にくっつくとその境界に水分子だけが綺麗に整列して特殊な構造を作るのがわかってきたと言います。
水は、光を受け取ることによって電子だけを集めたプラスとマイナスが綺麗に並ぶ層ができバッテリーのような層を作る。
プラスとプラスが近づくと反発して勝手に流れる。
体の奥深くや土の中では光が届かないけど、その役割を担っているのは微生物で、微生物が物を分解すると光を出し、その光を使って有機物の周りに膜を作りその表面では水が送られるように流れてくると言います。
微生物が豊富な土壌が必要で、水に親和性の高い根などが必要なのだとわかります。
大地の再生で水脈改善に使うときに一般土木では砕石を使いますが、竹や枝など有機物を使う必要性がわかったような気がします。除草剤を散布して微生物を死滅させてしまうことが土中の水と空気の循環の滞りを生む原因になることがわかりますね。
そして、最後に心に響くメッセージをいただきました。
水は、共鳴してている。循環している。
そこでできた形と同じ仕組みが共鳴して別のところで同じパターンとなって連鎖していく可能性がある。フラクタルな現象が起こってくる。
例えば、地形の表層で水の動きを取り戻してくれば、他の場所でも共鳴して循環がとりもどされるのではないか。
この場所が変われば橋本市が変わる。橋本が変われば和歌山が変わる。和歌山が変われば日本が変わる。
フラクタルとして共振を起こして変化していく世界を大地の再生のみんなと動き出すきっかけができるのは、嬉しい。
脳の中の細胞も宇宙の銀河もフラクタル。同じパターンを持って動いている。切り離されて連鎖が止まったたら病気や問題を引き起こす。
でも、自然はちゃんとバランスを取ろうと頑張っている、自然の力をうまく私たち人間がサポートできるように手を入れるようにしていけばいい。
ようやく、その気づきが得られるタイミングがきた。
物質の価値ではなく情報や循環が大切。
地域が本当に変わっていくかみんなとみていきたい。
実は、作業前のビフォアーの土のデータをとった。
アフターのデータと見比べて、他の地域のデータも必要ですが、作業の結果、水が動き出したからこんなに環境が良くなったと伝えられるようになれば、いいですね。
そうすれば行政も変えられる。国も変えらるのではないか。
と、重岡社長はお話せくださいました。
大地の再生の感覚視点と科学が融合し始めた瞬間に思えました。
災害や苦しんでいる自然の姿を見て、もうダメなのか・・・と思うことがあります。でも、矢野さんはまだ間に合う。呼吸をしている限りそれを大切に繋いでいけばまだ大丈夫だと普段話をしてくれます。それに加え更に重岡社長が科学的にお話してくれました。
これからの未来に希望がもてた気がします。