花博

【業界紙】エクステリアワーク2014年10月号記事掲載

エクステリアワークス表紙

エクステリアワークス記事

浜名湖花博2014浜松市長賞受賞の『雑木の庭と共に暮らす』について記事掲載して頂きました。
雑木の庭の設計ポイントやメリットなど、建物と庭の調和についての内容になります。

2014-10-07 | Taged in | Posted in メディア掲載No Comments » 

 

浜名湖花博『雑木の庭と共に暮らす』〜解体工事〜

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先日、浜名湖花博に出展した庭の解体工事が完了となりました。解体工事というより撤去と言った方がいいかもしれません。今回は出展前から最後は更地返しすることが決まっていたので材料は全て再利用できる素材で計画しています。
まずは、低木・下草類やコケの撤去です。手作業で丁寧にポットに移します。
花博解体工事
次に重機を併用して樹木の撤去です。樹々を寄せて密植しているので近いところは手作業になります。
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春に植えた樹木はこんなにも細根を出していました。樹木の力はすごいですね。植栽の際に支柱をしない理由がこの写真でも分かると思います。密植し支柱をしないのはいずれお互いの根が絡み合い一つの木立としてびくともしなくなります。支柱をしない分、樹は風に揺れます。揺れることで倒れないために自ら根を張ろうとしてくるのです。また、津波対策で宮脇昭先生が推奨する『緑の防波堤』が有力だと思うのです。自然の力、根の力は強いのです。
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住まいに見立てて建てた小屋はエフベースさんが引取りに来てくれました。
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アプローチと小屋前の作業スペースに使用した舗装の三和土仕上げは砕いて土に戻します。雨が降れば水を吸ってくれます。夏場には水を打てばそれが蒸散して自然冷却として効果を発揮してくれます。本当に優れたものだと思います。タイルやコンクリート二次製品などお金を出せば良いものができる訳ではありませんね。快適な過ごしやすい住まいの空間を考えての素材選びが大切だと思います。
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整地して終了です。
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花博で使用した樹木、写真の用に新しい現場で息を吹き返しています。現在雑木の庭を施工中です。新しい雑木の庭もまたの機会で紹介させて頂きます。

2014-07-06 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

浜名湖花博2014 閉幕

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浜名湖花博2014(第31回全国都市緑化しずおかフェア)が閉幕を迎えました。4月5日から開幕して約2ヶ月、無事に閉幕を迎えられたことが何よりです。
新緑
開幕当初の新緑が出始めた頃が懐かしく思います。
今では、緑も濃く、元からあった雑木林と一体化し住まいに見立ては小屋も隠れるくらいとなりました。
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ごちゃごちゃしている用にも見えますが、近くにいくと上空のスペースを分け合うように枝葉が広がり動きも感じられます。
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雑木の庭の中に入ればここは浜名湖なのかと忘れさせてくれるまでの雑木林までこの2ヶ月間で成長してくれました。
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アプローチの三和土もすっかり馴染みました。タイルやなどの高級素材じゃなくてもいいですね。お金を掛ければ良いものが出来るという訳ではありません。表面に触れればひんやりします。住環境を考えるにはこれからはこういう素材が評価されることになるでしょう。
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三和土の廻りを見渡せば優しい光を浴びた葉っぱは美しく心が安らぎます。これは樹木を1本で植えたのでは表現できない光。密植してからこそ生まれる光だと思います。光と影を感じるのは雑木の庭の良さの一つですね。
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2ヶ月の間で樹木の足下は苔むしてます。その環境にあったコケが付き雰囲気を良くしてくれました。このコケが湿潤し地面を温めないことで樹々を健康にしてくれているのでしょう。
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流れも廻りの緑が濃くなったことで大分馴染みました。
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エフベースさんに造ってもらった小屋も雑木と相性がよく、IMG_8888中に入れば心地良く感じます。中から外の庭を眺めれば小屋付近が心地良い暗さになっています。その奥が明るく照明器具を使わないサバンナ効果ですね。これが奥行き感と心地良さを造ってくれるのでしょう。

雑木の庭はこの2ヶ月で様々な変化をし色々な発見をさせてくれました。そこが雑木の庭の良さだと思います。今では、山は荒れ触れ合える自然が身近にありません。子供達の遊びながら学ぶ場が少なくなりました。こらからの庭は雑木の庭のような何かが発見できるような場も必要になってくると思います。
今回の出展を通して少しは雑木の庭の良さが伝わっていることを願います。ぼくにとっても雑木の庭造りは独立してからの取組みで今回の花博の出展は挑戦でもありました。今ではもう少しここをこうしておけば良かったと思うこともあります。庭作りは日々変化ですね。まだまだ荒削りな部分もあると思います。これを期に更に勉強しお客様に満足して頂けるものを提案できるようにがんばります。
サポートしてくれた関係者の方には感謝致します。ありがとうございました。
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2014-06-17 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

全国都市緑化祭〜コンテスト表彰式〜

本日、浜名湖花博では全国都市緑化祭の式典が開催されました。秋篠宮殿下と妃殿下も式典にご臨席され、国と静岡県と浜松市が主催する全国都市緑化しずおかフェアでの出展庭園コンテストで浜松市長賞を受賞できたことをうれしく思います。また、その壇上にあがっての表彰は光栄に思い感慨深いものでした。
花博賞状
式典後の記念事業では、秋篠宮殿下と妃殿下は10年前の浜名湖花博で植樹したクロマツに施肥を施されていました。
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まだ、終わってはないですが、地元開催の浜名湖花博2014・全国都市緑化しずおかフェアに参加できたことをうれしく思います。

ナインスケッチの『雑木の庭と共に暮らす』の庭では新緑が見頃を迎えています。
新緑
もみじもみじ
クロモジクロモジ
ミツマタミツマタ
ハナカイドウハナカイドウ
緑のトンネル三和土のアプローチが緑のトンネルとなり通り抜けるは気持ちよく感じます。
たたき三和土のアプローチはひんやりと涼しく感じられます。
雑木の庭は見所たくさん。五感で楽しめる庭です。日に日に変化する雑木の庭を是非ご覧頂きたく思います。ご連絡頂ければ現地でご説明も致しますのでお気軽にお問い合わせください。

2014-04-15 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

花博1期工事が終わって・・・

雑木の庭と共に暮らす

浜名湖花博2014に出展する庭の1期工事が完了となりました。工事の最中、1期工事が完了となった今でもここのおさまりはこれでよかったのか、もう少しこうした方がよかったんじゃないかなどと悩みは付きませんがなんとか形になってきました。今の自分の力(材料の供給や資金面(笑)なども・・・)や思いを表現した庭になってきたかなと思います。

他の出展業者さんは装飾的な塀や工作物で表現する中、ナインスケッチでは工作物は家に見立てたエフベースさんに建てて頂いた4畳の小屋のみで樹木を中心に庭を造っております。敬遠されがちな高さ6〜7mの高木も数多く配置しましたが既存の背景の雑木林とも調和できています。高木は下枝がなく下の空間は広々と感じ、人の生活空間は確保することができるのです。皆さんにも高木の魅力を感じて頂ければと思います。

雑木の庭と共に暮らす

雑木の庭と共に暮らす

残りの工事は月末に3日間です。手直しと残工事を無事終えて開催を迎えたいと思います。

2014-03-16 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

浜名湖花博2014に出展 〜雑木の庭と共に暮らす〜

浜名湖花博図面
4月5日から6月15日まで開催する浜名湖花博の10周年記念事業に庭を出展致します。テーマは『雑木の庭と共に暮らす』です。下記にコンセプト、思いを綴りましたのでご覧下さい。(ちょっと長いですが・・・。)

樹々の力を生かした住まい、庭と家が調和した暮らしの提案 
10年前の花博から私たちは、震災を経験して暮らしや自然、エネルギーに対する意識は変わってきました。住宅産業でもより一層、高気密・高断熱の性能重視の建築や太陽光などの自然エネルギー推進の動きも盛んになってきました。それらもいいけれど、身近には樹々という素晴らしいものがあります。季節や時間帯によって見え方もかわり、枝葉が揺れれば風を感じ、葉音が聞こえる。木漏れ日ができれば光を感じ、五感に刺激を与え心豊かにさせてくれます。上手に使えばそんな樹々は住環境を改善する力を発揮してくれます。夏場の暑い日射しを遮ったり、涼しい風を運んできてもくれ、熱環境にも対応できる力も持っています。これからは、これらの樹々の力を生かした住まい、庭と家が調和した暮らしを提案していくことも一つの考えだと思います。

樹木を階層的に密植して植付ける
樹々の力を借りて、心地良く過ごすためには、樹々も快適に成長しやすい環境を作ってあげる必要があります。自然の山では、樹木が1本で育っていません。樹木は1本で生きているのではなく周りの樹々と共存しながら生きています。一般家庭の庭でもなるべく自然の山のような環境をつくってあげる必要があると思います。樹木は1本で植えると幹や根元に太陽光があたり乾燥しやすくなります。乾燥すると栄養分は上に運ぶことができなく頭から枯らし始めます。痛んだ樹は中々元には戻らないのです。そのために1本で植えられた樹は太陽光が当たらないように枝葉を広げてきます。そうやって成長した枝葉はきれいな樹形を損ね、病害虫も発生させやすくなります。そうならないために二次林の用に日射しに強い落葉高木の下に中木層の樹、高木の木漏れ日でゆっくり育つ常緑樹を配置するようにしてお互いが木陰を作り、守り合うように密植し階層的に構成し樹が1本としてではなく庭全体として成長するように考えています。健康的に育ってくれた庭は私たちに心地良く過ごしやすい環境を提供してくれるようになります。

家際に落葉高木、四方に樹木が入る建物配置と角度
更に快適な住まいを実現するために、建物の四方に樹木を配置できるようにしています。家際に落葉高木を配置すれば夏場はウッドデッキや室内に木陰を落としてくれます。冬場は葉を落とし日射しを取り込むことができます。また、北面と南面の両方に木立を作れば温度差が生まれ風が発生します。建物の間取りと合わせて考えれば涼しい風を室内に取り込むこともできます。そして、樹木のスペースを確保するために建物の配置をどこかの境界に平行にするのでなく斜めに振ります。平行だと奥行き感が感じられなく限られたスペースしか生まれません。そのためには建築と造園を別物として考えるのではなく同時に考えていくべきなのです。建築が終わってから考えるとベターなことはできますがベストなことはできないのです。外空間を含めて敷地全体を使って住環境を考えていくべきだと思います。

気温を下げてくれる真砂土の三和土
玄関までのアプローチと庭の作業スペースは真砂土と石灰を混ぜ、たたいて固めるという仕上げをします。これは、透水性があり湿気を含んで蒸散してくれるので気温を下げてくれます。コンクリートやアスファルトだと夜になっても気温が下がりません。更に今の時代は家の中に入るとエアコンをかけますので一晩中気温が下がらないのです。この仕上げならコストはコンクリートよりも安いし早く施工できます。また、要らなくなったら砕けば土に戻すことができます。お金をかければ良い物ができる訳ではなく、住環境を考えながら素材選びをしていく必要があると思います。

落葉を資源とする落葉ストックBOX
庭があれば落葉の問題が出てきます。庭には、落ち葉や刈草をためることができる落ち葉ストックのボックスをつくります。落葉や刈草をためておくと堆肥になってくれます。落葉を掃除してゴミで出すという考えだと段々苦痛に感じることがあります。そうではなく堆肥化して資源とする。それを畑や庭に利用するなどして循環させていくことで庭の楽しみが一つ増えてきます。

これからは庭を鑑賞物と捉えるのではなく住環境を改善するものと考える
今回の庭はこれらのことを考えながら作った庭です。これからの庭は庭を鑑賞物として捉えるのではなく、また、建物の付属品として考えるのではなく住環境を改善するような庭が求められると思います。庭と建築が調和し外回りから考える住空間がもっと増えてくることを望みます。

2014-03-05 | Taged in | Posted in ブログNo Comments »