三協アルミ「エクステリアデザインコンテスト2017」 受賞式
三協アルミ「エクステリアデザインコンテスト2017」のファサード部門でゴールド賞を頂き、授賞式に行ってきました。
会場は名古屋のホテルナゴヤキャッスル。
名古屋といえば、僕も住友林業緑化時代に勤務したこともある場所です。
また、授賞式には住友林業緑化時代の上司や先輩社員も来ていました。当時の懐かしい話や近況話しもでき、再会できたのが嬉しかったですね。
授賞式の始まりです。
今回のコンテストでは、全国で全部門合わせて3000点以上(詳しい数を忘れました)の応募があったそうです。その中で、ゴールド賞を頂けたのは、嬉しく思います。
また、提案させて頂いた外構エクステリアプランを受け入れてくれたお施主様には感謝致します。
外構エクステリアのプランニングのポイント
現場のプランニングのポイントを説明しますと、
「季節の移ろいを感じる緑豊かな空間で、カーポート2台分と予備用1台の駐車スペースの確保と門扉を取り付けたクローズな外構にしてほしい」というのがお施主様のご要望でした。
緑豊かな空間にするには、雑木の木立を点在させることです。
3台分の駐車スペースを単純に並列に配置すると残されたスペースでは門袖、門扉などを確保すると単純な長方形の形になってしまい、緑が偏ってしまいます。
これでは、一般的でつまらない外構プランになってしまいます。
車の配置が重要
そこで、3台目の駐車スペースを大胆に斜めに配置するようにしました。
すると、手間や敷地隅や奥の方に三角の植栽スペースが生まれるのです。
門袖の中や庭へと緑を点在させて緑に包まれる建物の佇まいにすることができました。
木陰が床面や門袖に映り、光や陰、風までも感じ、季節だけでなく時間の移ろいを感じられる心地よい門廻りとなりました。
色合いや質感の調和を整える
その緑豊かな空間にはカーポートは通常の4本柱ではなくオープンな明るい感じになる後ろから2本柱持ち出しのカーポートを採用し、全体の色合いや質感のコーディネートはステンカラー系でアルミは揃え、門袖は杉板型枠にしアルミ材や植栽との調和を整えました。
アプローチや駐車場の土間コンクリートの目地のつけ方も単純に車の配置の区割りにするのではなく、敷地いっぱいを使い長く奥行き感の出るような目地のきり方をし、アクセントには斜めの門袖に合わせて石張りもコーディネートしました。
植栽は自然に習って木立をつくるように
植栽の仕方も重要になってきます。緑豊かにするには単純に1本単位で植えてはいけません。
また、カーポートのボリュームや建物が緑に包まれる佇まいにすることを考えると2、3mの樹木では低すぎます。5m程度の樹高は必要になってきます。
自然の山では1本で木が生息しているところはありません。高木、中木、低木、草類と階層的にまた寄り添って生息しています。高木にとって中低木は幹や根元を強い陽射しや風当たりから守ってくれています。中低木にとって高木は直射日光を遮ってくれ木漏れ日の優しい光だけを届けてくれています。お互い守り合う環境をつくり、助け合いながら生息しているのです。
木にとって過酷な住宅地環境は1本単位で植えつけては傷み出してきます。傷めば病害虫も発生し管理に手間がかかります。管理が大変だからと言って木の大きさを小さくしたり数を少ない本数にするのはおすすめしません。
木が健康に生息してくれて本当の緑豊かで心地よい空間がつくれると思います。
自然素材とエクステリア建材の調和をとる
心地よい空間は緑など自然素材を使い、自然に寄り添うことだと思っております。山に行った時に心地よい空気感を感じるのは誰もが経験していることだと思います。心地よさは、自然の中に溢れているのです。
僕は、外構や庭を通して心地よい住まいや空間を提案できればいいなという思いで仕事に取り組んでいるつもりです。だから「雑木の庭」という切り口で提案させて頂いたり、「大地の再生」の活動にも取り組んでいます。
田舎暮らしやパーマカルチャー的な暮らしに憧れはあるけど現実的に、仕事など今の生活環境を全て変え、その方向にシフトするにはハードルが高いなと感じる人も少なくはないと思います。
だから、現実社会と理想の暮らしの融合が必要だと思っております。外構や庭のプランニングでも全て自然素材で組み合わせで作れば本当に心地よい空間はつくれると思います。しかし、金額面や性能や機能面などを考えるとエクステリア建材を使うこともありだと思います。
これからの外構エクステリアには自然素材とエクステリア建材の調和が必要になってくると思います。そこが、心地よくて暮らしやすい住まい実現のカギになるでしょう。