駐車場
掛川市 外構|建物と調和したカーポート
掛川市 雑木の庭|起伏をたのしむウッドデッキのある庭
外構計画をする上で大切にしていること 〜SN Design Architectsさんの施工をさせていただいて〜
©︎中川敦玲
僕のいるこの業界は側から見れば、外構と造園も外回りを設計や工事をする業者として同じように思われることもあります。しかし、内部から見ると外構と造園を分けて考えたり、外構だけ見ても外構とエクステリアと分けたり、造園においても庭を作る、植栽の手入れだけをする、石積みに特化した職人などなど、細かく分けたりもすることがあります。
何を言いたいかと言うと、僕は、そこら辺をあまり棲み分けずに仕事をしていきたいと思っています。
雑木の庭や大地の再生の活動を発信していると、人工的な空間を否定していると思われがちになってきますが、決してそうではありません。コンクリートやアスファルトは今の社会には欠かせないものですし、普段の仕事でも提案し施工することももちろんあります。
外構のプラン、デザインを考えていく上で、大切にしていることは、建物との調和やそこの敷地条件にならうことを心掛けています。決して、外構単独で考えないこと。どんなデザインを外構で計画していくと建物と調和が取れるのか、どの程度外構で足していくというか、言葉が難しいですが、より建物の佇まいが良くなったり、心地よい住まいになるのかを考えていきます。要は、外構が主張しすぎてもいけないと思います。特にエクステリアメーカーの商品を最初から取り入れること、その商品の組み合わせで計画していくと外構が目立ちすぎてしまったり、どこも似たような現場になってしまいます。まずは、その建物や敷地に対してどんなデザインを組み合わせいくといいのかを考え、それがエクステリア商品で賄えるのであればそれを使えばいいと思います。大切なのは、やっぱり素材から考えて、その建物や敷地から感じるものを大切に何がどこにどの位の大きさや色や質感などがあったらいいのか、必要なのかを考えるようにしています。
また、植栽は欠かせないものだと思っております。建築では中々表現が難しい、動きや立体感や奥行き感、光や影なども演出でき、風も感じることもでき、住む人や街に潤いと癒しを与え、豊かな暮らしができるからです。
今回紹介させていただくのは、SN Design Architectsさんが設計監理案件の外回りの設計施工をさせて頂きました。どんな想いでプランニング、デザインし、施工したかを少し紹介できたらと思います。
©︎中川敦玲
SN Design Architectsの佐野さんからご依頼を頂いたのですが、敷地条件やお施主様の要望を伺い、試行錯誤してこの建物になった経緯を聞かせてもらいました。外回りの要望は車の配置や、植栽のローメンテナンス希望など、大まかな依頼内容で、細かくここをこうして欲しいなどはなく、まずはこちらの自由にプランできるように気を遣って頂いた有難い内容でした。
建物のフォルムはスクエアで道路面は窓も少なく壁面が印象的で庇と玄関ポーチの横の水平ラインが特徴的に読み取れます。敷地形状は、高低差はなく、道路側境界ラインが長く長方形な形です。また、建物の配置は道路から比較的近くも感じられます。
上記のことを考えて、敷地に対して道路平行に細長い鉄平石と深岩石をボーダー状に敷き、敷地の間口の長さと建物の庇や跳出しポーチの横広がりに合わせてみました。また、H鋼オブジェを庇と似た色で据付け、より、建物との調和を考えてみました。
©︎中川敦玲
植栽は玄関挟んで左右に配置し、向かって右側の植栽スペースには気を遣ったつもりです。このスペースがもう少し玄関に寄ってしまうと建物より主張し過ぎてしまうのではないかと感じます。また、道路から玄関までもそこまで長く無いので、玄関前は横に広がりを持たせたアプローチの方がゆったりと建物のボリュームとも合ってくると思います。樹木の高さは、建物の外壁面の大きさから考えてもこの位あってもいいと思います。これより低いと植栽が弱く感じてしまうのではないかと思います。
©︎中川敦玲
また、植栽の考え方については、心地よい住まいの実現と、しっかりと自然の恵みを感じられるためには、見た目を優先するのではなく、まずは、木々が健康的に生育していくことを考えて、樹種の組み合わせをしました。木々が健康的に生育することでやっと人に対して恵みを分けてくれるものだと思っています。木々が傷んだりすると病害虫が増えたりしてかえって厄介者になったりして不快に感じてきてしまいます。基本は、高木から下草まで階層的にし寄せて植え付けし、お互い守り合うような環境を作ってあげることが大切かなと思っています。自然の山を見ても、木が1本単位で生息しているところはありません。何本も寄り添って生息しています。高木は、日が無いと育ちにくい樹種ですが、中低木は高木が直射日光を遮った木漏れ日位の日照がいいのだと思います。植栽は、人の都合で植え付けるのではなく、自然にならって、樹種の選択や配置が大切だと思っています。
最後に外構を作る目的は何かと考えると、ただ単にアプローチや駐車場が欲しいというのではなく、使いやすかったり、心地よい住まいを求めて作るのだと思っています。外回りも住まいの一部であります。
住まいを外から考え、特に緑の力を活かした心地よい住まいができればいいと思っております。
コロナ渦で在宅勤務や家で過ごすことも増えてきました。外回りが充実していれば外出するまでもなく、十分に癒される暮らしが実現できると思います。
これからも、植栽など自然の恵みを感じられ、建物や敷地や街並みとの調和もとれ、使いやすさなど機能面も考慮し人工物も否定することなく、人と自然が共に豊かに暮らせるような住まいを外回りからご提案できればと思います。
静岡市 外構・雑木の庭|水辺の上のアプローチ
袋井市外構・雑木の庭|角地を生かす植栽
掛川市外構・雑木の庭|建物のファサードと呼応するウッドフェンス
三協アルミ ワンダーエクステリアデザインコンテスト2019 表彰式
三協アルミ ワンダーエクステリアデザインコンテスト2019のファサード部門でブロンズ賞を受賞させて頂き、先日、表彰式にいってきました。
2017年のゴールド賞に続ての受賞で嬉しく思います。
その時の様子はこちらから。
会場は、名古屋ストリングスホテル。立派な会場で、ステージ奥の金屏風が眩しいです。(笑)
今回の応募点数は全国で3200点程だったそうです。
その中で授賞できたことは嬉しく、また、デザインに納得頂いたお施主様と工事に携わってくれた関係者の方には感謝致します。
グランフェイス レクス-デザインオフィス東京の大熊一幸さんにも講評を頂きました。
今度はライティング賞でも授賞できるように勉強します。
懇親会会場では、以前勤めていた住友林業緑化の先輩や当時の所長ともご一緒させて頂きました。
その後も、飲みにも行き、あの人は今、あそこで頑張ってるとか、あの人は変わらないよ。などなど当時の懐かしい話に花が咲きました。
こういう表彰式で会えるのは嬉しいですね。
また、会えるように授賞できる現場をつくれたらと思います。
お施主様からは、3台分のカーポートが欲しいという要望がありました。
3台分のカーポートはかなりなボリュームの構造物になります。アルミカーポートは景観がよくないから設計に入れないという造園家さんもいるくらいで、デザインを調和するのに難しい建築物の一つです。しかも、今回の住宅は平屋で2階建よりもボリュームは小さく、住宅の手前にくるカーポートの存在が目立ちすぎてしまいます。
では、カーポートをやめて住宅に調和できるガレージを計画すれば金額はかなり嵩んでしまします。
しかし、メーカーも昔よりだいぶ格好良いカーポートでも商品化されてきています。
エクステリアプランナーは外構だけで考えるのではなく、その住宅との調和や敷地条件を読み取りプランをすべきだと思います。
今回の住宅は平屋で軒の水平ラインが特徴的に思えました。
その水平ラインとカーポートの梁が一体になるように見せれればいいかなと思い、梁が特徴的なカーポートを採用することにしました。
また、カーポートが取って付けたようにならないようにカーポート同材のアルミ材をアプローチの上空に這わせ、カーポートと繋がりがあるようにしました。
その周囲にくる塀はアルミ色に合わせてRC打放しにしその塀も建物と水平方向だけでなく直角方向にも高さや位置をずらすようにしてオープンな外構なので閉鎖的になりすぎないように考えました。
あとは、人工物だけでは硬い印象になりますので、雑木の植栽を合わせます。
道路から塀の中まで続くようにアイストップの位置など気にしながらアプローチの動線なども考えました。
機能的にもコスト的に優れているメーカーのカーポートと自然素材を組み合わせ、そのカーポートが主張しすぎないように考えたファサードができたと思います。
自然素材だけで作る外構もよくつくりますが、ご予算や使い勝手など考えるとエクステリアメーカーの商品も組み合わせてつくれたらいいと思います。
人工物で自然環境に負担をかけるなら、植栽など入れたり水脈改善を施したりケアすれば調和ができる外構、お庭が作れると思います。
人工物を否定するのではなくこれからも上手に組み合わせてご提案できればと思います。
三協アルミ「エクステリアデザインコンテスト2017」 受賞式
三協アルミ「エクステリアデザインコンテスト2017」のファサード部門でゴールド賞を頂き、授賞式に行ってきました。
会場は名古屋のホテルナゴヤキャッスル。
名古屋といえば、僕も住友林業緑化時代に勤務したこともある場所です。
また、授賞式には住友林業緑化時代の上司や先輩社員も来ていました。当時の懐かしい話や近況話しもでき、再会できたのが嬉しかったですね。
授賞式の始まりです。
今回のコンテストでは、全国で全部門合わせて3000点以上(詳しい数を忘れました)の応募があったそうです。その中で、ゴールド賞を頂けたのは、嬉しく思います。
また、提案させて頂いた外構エクステリアプランを受け入れてくれたお施主様には感謝致します。
外構エクステリアのプランニングのポイント
現場のプランニングのポイントを説明しますと、
「季節の移ろいを感じる緑豊かな空間で、カーポート2台分と予備用1台の駐車スペースの確保と門扉を取り付けたクローズな外構にしてほしい」というのがお施主様のご要望でした。
緑豊かな空間にするには、雑木の木立を点在させることです。
3台分の駐車スペースを単純に並列に配置すると残されたスペースでは門袖、門扉などを確保すると単純な長方形の形になってしまい、緑が偏ってしまいます。
これでは、一般的でつまらない外構プランになってしまいます。
車の配置が重要
そこで、3台目の駐車スペースを大胆に斜めに配置するようにしました。
すると、手間や敷地隅や奥の方に三角の植栽スペースが生まれるのです。
門袖の中や庭へと緑を点在させて緑に包まれる建物の佇まいにすることができました。
木陰が床面や門袖に映り、光や陰、風までも感じ、季節だけでなく時間の移ろいを感じられる心地よい門廻りとなりました。
色合いや質感の調和を整える
その緑豊かな空間にはカーポートは通常の4本柱ではなくオープンな明るい感じになる後ろから2本柱持ち出しのカーポートを採用し、全体の色合いや質感のコーディネートはステンカラー系でアルミは揃え、門袖は杉板型枠にしアルミ材や植栽との調和を整えました。
アプローチや駐車場の土間コンクリートの目地のつけ方も単純に車の配置の区割りにするのではなく、敷地いっぱいを使い長く奥行き感の出るような目地のきり方をし、アクセントには斜めの門袖に合わせて石張りもコーディネートしました。
植栽は自然に習って木立をつくるように
植栽の仕方も重要になってきます。緑豊かにするには単純に1本単位で植えてはいけません。
また、カーポートのボリュームや建物が緑に包まれる佇まいにすることを考えると2、3mの樹木では低すぎます。5m程度の樹高は必要になってきます。
自然の山では1本で木が生息しているところはありません。高木、中木、低木、草類と階層的にまた寄り添って生息しています。高木にとって中低木は幹や根元を強い陽射しや風当たりから守ってくれています。中低木にとって高木は直射日光を遮ってくれ木漏れ日の優しい光だけを届けてくれています。お互い守り合う環境をつくり、助け合いながら生息しているのです。
木にとって過酷な住宅地環境は1本単位で植えつけては傷み出してきます。傷めば病害虫も発生し管理に手間がかかります。管理が大変だからと言って木の大きさを小さくしたり数を少ない本数にするのはおすすめしません。
木が健康に生息してくれて本当の緑豊かで心地よい空間がつくれると思います。
自然素材とエクステリア建材の調和をとる
心地よい空間は緑など自然素材を使い、自然に寄り添うことだと思っております。山に行った時に心地よい空気感を感じるのは誰もが経験していることだと思います。心地よさは、自然の中に溢れているのです。
僕は、外構や庭を通して心地よい住まいや空間を提案できればいいなという思いで仕事に取り組んでいるつもりです。だから「雑木の庭」という切り口で提案させて頂いたり、「大地の再生」の活動にも取り組んでいます。
田舎暮らしやパーマカルチャー的な暮らしに憧れはあるけど現実的に、仕事など今の生活環境を全て変え、その方向にシフトするにはハードルが高いなと感じる人も少なくはないと思います。
だから、現実社会と理想の暮らしの融合が必要だと思っております。外構や庭のプランニングでも全て自然素材で組み合わせで作れば本当に心地よい空間はつくれると思います。しかし、金額面や性能や機能面などを考えるとエクステリア建材を使うこともありだと思います。
これからの外構エクステリアには自然素材とエクステリア建材の調和が必要になってくると思います。そこが、心地よくて暮らしやすい住まい実現のカギになるでしょう。
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