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森のようちえん

2016.02.01 |

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森のようちえん全国ネットワーク代表の内田幸一さんの講演会『森のようちえんの子どもだちに見た幼児の育ち』に参加させて頂きました。内田幸一さんは30年前から長野県の飯綱高原で森のようちえんを運営されている方です。今では長野県では信州型自然保育として力を入れていることですが、当時は中々森のようちえんの考え方を受け入れられなかったそうです。ここ10年位でやっと森のようちえんが浸透してきと話してくれました。
森のようちえんとは、簡単に言うと、
・自然の中で子ども・親・保護者が共に育ち合うこと
・自然の営みに合わせるということ
・保育や福祉の仕組みを理解し、日本の保育や子育て全体に貢献すること
という考えで今までの保育を否定するわけのものではないそうです。

森のようちえんはヨーロッパで普及してきたのですが、現地では自分たちの文化やアイデンティティーを大切にしながら守ってきている中で、日本はというと、高度成長期の80年代は古いものを捨てて新しいものを取入れることが多かった。日本人は何を大切しているのだろうか?!疑問に感じたそうです。発祥の地のヨーロッパのかたちをそのまま持ってくるのではなく、その地域によって環境が違うので、その地域で何ができるのか、その地域の文化というものを大切にしていくことがポイントだと話してくれました。伝えていくのは自然環境だけでなく、生まれ育ったふるさとの楽しい思いでや素晴らしさを大人達も発見して地域の特色を子ども達にしっかち教え伝えていくことが森のようちえんの目的であり、多くの人に愛されて育っていくことを幼いうちに持たせてあげたい。と言います。

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子どもたちにとっての森はどんなところで、どんなことが学べるのかということをあげてくれました。
・草花や虫、葉っぱや木の実など発見することが、その子にとっては初めてのことでびっくりしたり、心ときめいたりして出会ったことの感動や興味が持て、自分から動くことの大切さを学べる。
・色んなものに不思議、なんだろうなと興味や関心を持つ機会が得られる。
・森には遊具などないから自分から遊び道具や遊び場を探し始めることから、自分で自分の心にスイッチを入れスタートを切れる力がつく。
・雨や雪が降っても外に出て行くこともある中で、自然に対して丸ごと受け入れることができる。子どもたちは自然をそのまま受け入れる。雨が降れば雨合羽を着る。寒ければ防寒着を着る。どういうことかというと自然を従順に受け入れることができ、自分が変われば少々のことは対応でき、乗り越えることができるということを学べる。
・木登りや倒木渡りなど様々なことに対してあれをやりたいと自分からスイッチが入りどチャレンジ精神が養うことができる。
・森の中の散策では、時間がゆっくり流れている感覚を覚え、色んなものを見つける五感がフルに発揮し感性が豊かになる。
・様々な遊びの中で、衣服や体が汚れたりすることはあたり前で汚れてもどーってことないという気持ちの余裕や様々なことに柔軟な対応が出来る様になる。

色んな自然環境の場面に体験することで様々な力が付きそうですが、大切なことは、大人がすぐにジャッジしない、次にやりたい。というすぐ行動に移す積極的にさせてあげることだと言います。自分から動こうとする力をのばしてあげるのは大切で、大人が危ない、汚れるからと大人が制限するのはあまりよくないと言います。考える、失敗、成功、トラブルの解決を試みる子どもなりの力で乗り切る力が養ってくるのでしょう。

今回の講演会でやっぱり、森には様々な力が隠されていてたくさんの可能性があるところだなと感じました。というより、小さい頃から森に触れないといけないのかなと思います。中々、学校生活や家庭だけでは教えることが難しいことがあります。森には色々な命の形もあり命の大切さも学べると思うのです。先日の街路樹の話しもそうです。落ち葉の苦情もなくなるのではないでしょうか。落ち葉も資源だし、きっと「落ち葉はおちるもの」という自然な考え方になると思います。ぶつ切りもそう。あんな姿の木は森にはありません。あれを見ておかしいなと思うはずですよね。今は、普通じゃない姿があたり前の姿になってしまっている世の中です。そして、あれは、おかしい!と中々主張できない世の中ではないかと感じます。
先生の話しの中で日本はヨーロッパと違い古いものを捨ててきたという話しも印象的でした。人間都合で自然環境を変えてしまったから自然が悲鳴をあげ始めていると思います。自然環境に合せて考えてあげれば人と自然がうまく共存できる心も豊かな生活が送れるのではないでしょうかね。
社会も自然と同じでまっすぐなきれいな道はないです。色々な困難なことがあると思いますが、それに対して、自分から動いて、時には相手に合せて柔軟な対応をし、色んなことに視野を広げて色んなことにチャレンジすれば、なんでも乗り切れそうですね。自分自身も自分のことを見つめ直す良い機会でした。そして、庭には、やっぱり『雑木の庭』が必要だと改めて思います。鑑賞物としての庭ではなく自然環境に触れることができる森のような庭は、子どもの成長する場になってくれると思います。森に行く時間的余裕がない人は多いと思いますが、自宅の庭が雑木林のような庭なら、日々の変化の様子を見れますしね。子どものための庭ということも考えながら庭づくをしていければと思います。

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最後は、森の仲間たちと記念撮影。この仲間たちと少しずつ、何かができればいいなと作戦会議中^^