キャンプ
リックスクエア2019 〜スノーピークのアーバンアウトドア戦略 〜
昨年12月に開催されたリックスクエア2019の第二部のトークセッションに登壇してきました。
リックスクエアは造園外構に特化したCADメーカーのユニマットリックさんが企画し、造園、外構、エクステリア業界の今と未来を考える交流イベントになりますが、毎年開催されていて、2017年にも一度登壇させて頂きました。その時の内容はこちらから。
今回は「庭の体験価値を高めるアウトドアの本当の魅力とは」というテーマでアウトドアブランドのスノーピークさんによる「スノーピークのアーバンアウトドア戦略 ~スノーピークがデザインする“庭”という空間~」の特別講演になります。僕はその第二部の「家と庭の作り手から見た、住まい×アウトドアの可能性」トークセッションのメンバーの1人として参加させて頂きました。
スノーピークさんは、新潟の金物で有名な燕三条で発祥し、金物を作った登山道具など商品を開発することから始まったことを聞いたことがありました。その会社が今では、住宅産業でも名を聞くことにもなり、アパレルなど多角的な産業になっているので、自分自身も興味があり、当日を楽しみにしていました。
しかし、会場は、東京の秋葉原。立派な会場であることと、今回は、東京をメイン会場として全国でライブ中継会場が仙台、名古屋、大阪、広島、福岡の5箇所も設けられ、視聴者が600名弱という話を聞いてちょっとビビっていました。
会場は、満席で、スタートしました。
スノーピークの吉野真紀夫さんから
全世界の人が幸せになれるために我々が何ができるかを考えてサービスを積み重ねていくという理念を掲げていくというお話からスタートしました。
キャンプだけでなく、短なところに自然との繋がりがあるんじゃないかと考え、色々な事業展開をして、飲食店舗、アパレル、アウトドアはオフィスづくり、まちづくりや戸建てからマンション、地方創生まで展開しています。日常と非日常の部分で自然と人を繋げて、人間性の回復を目指して一人でも多くの人に自然の恵や日本の四季や文化を知ってもらい幸せな人生を送れる手助けをしたいというお話をされていました。
そう考えると、住まうところ日常生活に自然を感じるような、ものやことをとい取り入れるという発想が出るのは必須だったのかもしれませんね。キャンプというとハードルが高く「野遊び」をテーマにすることで誰でも親しみやすくなりますね。業界の垣根なしに社会的使命を達成するために何でも必要ならやってみる企業理念、行動力は感動しました。
ここから第二部です。
主催のリックの小松社長とスノーピークの吉野さんに加えて、株式会社荒正の須田社長と兵庫県のにわいろSTYLEの吉川社長とぼくも加わりトークセッションのスタートです。
その前に各自の自己紹介からはじまりました。
荒正さんはスノーピークさんの専門ショップも運営されていて、また、スノーピークと東北芸術工科大学と一緒にエコタウンの分譲も行っています。
次に僕の番です。
まだまだビギナーですが、フライフィッシングやキャンプの趣味があることを紹介させて頂き、また、仕事の施工例なども紹介させて頂きました。
にわいろSTYLEの吉川社長は、古民家をリフォームして宿泊施設もつくり運営をしています。
みなさん、建築や外構に捉われずに業種を広めていて尊敬いたします。
トークセッションのスタートです。
内容は、
あなたにとってのアウトドアとは、
アウトドア提案における工夫、問題、課題、解決方法は
家、庭づくりのプロからスノーピークへの要望は
住宅、エクステリアにおけるアウトドアの可能性について
などの話が行われました。
スノーピークさんへの要望では、
これから分譲など手がけていくなら、建築主体ではなく、庭や外構の外回りを扱う僕らの業種と組んでほしいとお話をさせて頂きました。
僕にとってアウトドアとは、やっぱり自然の豊かさ、恵を感じることかなと思っています。なので、自然を感じるためには家中心で考えるのではなく、外回りから考える必要があるのではないかと思います。自然環境を読み取り、周辺環境や地形図を読み取ったり、そこの水脈環境も考え、それによって建物の配置や設計地盤高さも決めていく。建物を建てるだけで大地に負荷を与えてしまうので、水脈へのダメージが少ないように配置を決める必要があると思うのです。自然環境が豊かであれば自ずと人にとっても心地良さを与えてくれると思いますが、環境の大元の水脈環境を滞らすことで木々や弱まり、本当の自然の豊かさを感じることは難しくなると思うのです。木々が健康に生育することを前提に考え、そこに人の要望、生活動線を組み込んでいく。アウトドアな住まいの分譲地を計画するなら、自然環境を読み取り、自然素材を扱う仕事をしている庭や外構の業者と組んで欲しいなと、ちょっと偉そうに話をさせて頂きました。すみません。。。
スノーピークさんの業界の垣根はなく固定概念にとらわれずに、自然と人、人と人の繋がり、人間性を回復させていく。
印象に残っています。
楽しく、勉強になるイベントでした。
声をかけて頂いたユニマットリックさんには感謝いたします。
2019今シーズン最終のフライフィッシング
2019年のシーズン、最終日に南アルプスへフライフィッシングに行ってきました。
今回は、うちのスタッフの大場と二人です。
大場は、アウトドアの学校でびっしり鍛えてもらってから初の南アルプス&イワナです。自分で巻いたカディスを持って挑みます。
お盆にきた時は、人がたくさんいて中々厳しかったのを思い出します。また、この先週に僕らの師匠がここへきて、あたりが渋かったようで、今回もどうだか心配です。。。
始発の乗合タクシーに乗り込み、AM6時頃広河原山荘につきました。どうやら先行者は少なそうです。
テントを張って、ポイントへ向かいます。
今日はどうかな?と一投目。
いきなり、ヒット!びっくり!こんなこともあるんですね!
しかも、良型です。引きもまあまあ。
幸先いい感じです。
水も綺麗だし、景色も良く、最高です。
途中、プールで尺サイズがライズをしていたので、狙いを定めてキャスティング。良いところにフライが落ちた。尺イワナは、スルー。
僕は、フライを変えて、再度、キャスティング。
絶好のポイントに落とせました。尺イワナは、フライにパクっ。
僕は、それに合わせる。
しかし、合わせきれません。
ライズハンターとはなれず・・・まだ、ライズしている魚を狙って釣ったことがありません。
でも、フライを変えて色々試し、反応が出るのは楽しいですね。
それでもまずまずの釣果で楽しめました。
大場氏も釣れたようです。よかった。よかった。
夜の部スタートです。
気温は13度まで下がり冷え込みますが、ビールで乾杯!
つまみは、餃子にソーセージ。
この自然の中にテントを張って、つまみをバーナーでちょこっと料理してシェアして、お酒を飲んで、喋って、これがフライフィッシングの楽しみの一つですね。
朝も冷え込みます。
各自、調理して、朝食を済ませます。僕は、ソーセージとパプリカとシメジを塩コショウで炒めてとろけるチーズをのっけてパンに包んでいただきます。
そして、ヤカンに水を入れ、バーナーで沸かし、それをドリップのインスタントコーヒーに注ぐ。
これだけで、幸せを感じるのです。
午前中も目一杯釣りを楽しました。
フラフィッシングは、魚がいないところではできない。魚がいるところは水が綺麗なところ虫も豊富で自然豊かなところ。そこは奥山でしかもはやできないのではないでしょうか?
でも、そんな奥山でも砂防ダムや法面土木もあるし、どんどん自然がなくなってきてしまっています。
昔の人はきっと、自然を崇め、自然に寄り添い共に生きてきたと思います。それが、今日は、自然の力を恐れず、崇めず、力で抑え込めようとしています。原発事故でわかったように安全神話も崩れたのですから、今一度、自然に寄り添う暮らし方を考えるべきではないのでしょうか?
しかし、今では、リニアの問題があります。静岡県では、大井川の水を全て川に戻さないと着手させないとしていますが、それはもちろんであって、戻し方もまた重要だと思います。人工的にパイプやポンプだけで戻すのでは意味がありません。しっかりと自然の水の流れに倣って、水が流れる過程では空気も流れている訳ですから、また、水と空気の循環するところに生き物が息づく環境が生まれてきます。この自然のメカニズムに沿って環境を保全して欲しいものです。リニアを完全否定している訳ではありません。自然に不可を与えるならその分ケアが必要だと思います。
フライフィッシングができるところもなくなってしまいます(笑)
これは冗談として、でも、フライフィッシングは自然と一体にならないと魚は釣れません。
フライを自然の水の流れに合わせて流します。そのフライも魚がその時期に食しているものが効果的です。水の流れ、虫になって、魚の気持ちにならないと釣れません。
自然に寄り添うことが大切だと気づかせてくれます。
ナインスケッチでは、自然を師として学ぶ教材としてフライフィッシングを研修として続けていきたいと思います。
スノーピークとのトークセッション開催のお知らせ
庭とアウトドアの魅力考えるイベントでアウトドアブランドの「スノーピーク」とトークセッションをさせていただくことになりました。
「スノーピーク」は今では、住宅向けの商品展開や街並みプロデュースもされているみたいですね。
12月5日東京秋葉原で開催です。全国の会場でもライブ中継されるそうです。
平湯キャンプ場〜乗鞍岳・剣ヶ峰を目指して2019夏
もう、暑さも和らぎ涼しく秋模様になってしまいましたが、今更ですが、今年の夏の思い出を綴っておこうと思います。
台風が心配される中、家族で平湯キャンプ場に行ってきました。いつものことながら、夏の予定を決めるのが遅く、近頃のキャンプブームもあり、中々予約が取れない中、ここはのキャンプ場は全てフリーサイトで200台の収容能力があるので、僕ら家族にとってはとてもありがたいキャンプ場です。
夏はあまり暑いところにテントで寝たくないので、ここは標高1300mであり尚且つ、雑木林の中なので、涼しく快適に過ごせます。オススメのキャンプ場の一つです。
1日中雨が降った日もあり予定より一泊多く泊まり、乗鞍岳の登山に臨みました。
乗鞍バスターミナルがある畳平についた頃はまだまだ霧がかっている状態でした。標高2700mにもなるととても寒いです。ここから小学1年生になった長男と数日後に4歳になる次男を連れて乗鞍岳最高峰の剣ヶ峰3026mを目指します。2700mまでバスで来れるので、助かります。
どんな、山登りなることでしょう。
しばらく歩いてもまだ、霧は晴れません。
しかし、国の天然記念物の雷鳥で出会えました。
運よく出会えたので、この先も楽しくなりそうだと期待が膨らみます。
肩の小屋をすぎたあたりから少しずつ霧が晴れ始めました。
ここからは岩場が続きます。
子ども達、わざわざ石の大きなところ、大変なところをよじり登りながらいきます。でも、一歩ずつ確実に助けなしで自分の足で登っていきます。
頂上が見えました。
霧も晴れ、乗鞍スカイラインが見え始めました。
頂上小屋から渋滞です。
なんとか頂上到着し記念撮影。
帰りはすっかりガスもなくなり、気持ちよく足が進みます。
休憩も入れて往復6時間かかってしまったけど、子ども達はなんとかおんぶもなしで自分の足だけで帰って来れました。
去年、尾瀬を歩いた時はずっとおんぶだった次男の成長が感じられた山登りでした。
尾瀬ケ原散策&丸沼高原キャンプ
夏休みに家族で丸沼高原でテントを張りキャンプをし、尾瀬ヶ原を散策してきました。
鳩待峠までマイカーで入り、スタートです。
まずは、山の鼻を目指します。標高1600m程、肌寒く、小雨がたまに降る中ブナの森を石の階段で下って行きます。
斜面にそそり立つブナはしっかり大地を捕まえ生きています。力強さを感じます。
石にはコケがはびこり、大小様々な枝も見られます。
水は、有機物に触れて浄化され、また、泥をそこで止め、地中に潜ったりまた地表に出たりを繰り返し行き来しているのでしょう。
この石と枝のバランスが絶妙。水の勢いをコントロールする術を自然は知っているのですね。
林内には倒木した木も見られます。
自分の命と引き換えに新しい命がそこに宿ります。山の命のバトンリレーが生きる力を僕ら人にも与えてくれます。
山の中にはいろんな水の流れがあります。石が多くあるところ、石が少なく有機物多めの湿地ぽい流れのところ。
土質や地形が変われば水の流れるスピードや量も代わり、要は水と空気の循環の仕方が違うのだと思います。
そこの水と空気の循環によって息づく植物の植生も変わってくるのですね。
山の鼻で休憩をはさみ、尾瀬らしい風景の一つ、川沿いに栄養豊富な土が運ばれて木々が生息しやすい環境になってできる拠水林を抜け、いよいよ尾瀬ヶ原に出ます。
湿原が広がる中、ずーっと続く木道を歩きます。
尾瀬ヶ原の大きさを感じ、ゆったりとした時の流れも感じられ、ちょっと天気が残念でしたが尾瀬らしい風景に出会え感動しました。
5歳の長男、この日から3日後に3歳になる次男も一生懸命歩きます。
キンコウカかな。
オゼトリカブト。
この時期、花はあまり咲いていない時期ですが、綺麗な花に出会えました。
木道挟んで両手には、池がポツポツとみられます。
この池、地糖と呼ばれているそうです。
地糖は岸から急激に深くなっていて断面を描くと壺形になっているそうです。
水は高いところから低いところに動くので、湿原でもやっぱり緩やかだけど水が動いているんですね。そこには水だけでなく空気も動き、尾瀬ヶ原ならではの緩やかな水と空気の循環があり、この気象環境と地形や土壌の大地の環境にあった動植物が息づくのでしょう。
ヒツジグサかな。白と黄色のコントラストが美しいです。
長男は一人で頑張って歩きます。
去年夏の上高地では「抱っこ、抱っこ」とせがんできたけど、今年はそんなことも言いません。頼もしくなりました。
次男はこんな感じです。(笑)
雲行きが怪しく、牛首分岐で家族会議です。
僕は、もう少し先に進みたかったのですが、次男のこともあり、家族は引き返すことにし、僕だけもう少し先を目指しました。
尾瀬ヶ原には湿原と言われますが、大小様々な川が流れています。
湿原と言うと水が停滞してるのかと思いがちですが、川の流れがあると言うことは、ここでも水の循環がしっかりあると言うことですね。
川の水が流れればその川に向かって、表面だけでなく断面的にも水が流れているはずです。
これらの川が池塘と並んで尾瀬の生命線になっていることでしょう。ここを都市環境のようにコンクリートなどで護岸工事をしてしまうとこの風景は見れなくなります。人の開発が入らないことを願います。
竜宮現象。
流れてきた水が突然姿を消して、50mほど離れた地上に湧き出る現象で、つまり、地下に水の流れる水脈が通っていると言うことです。
この穴が、竜宮城まで通じているに違いないと考えられ、この名前がついたそうです。
水は、地上や地下を行ったりきたりしているのがここで証明してくれました。水は表面だけで流れていないということです。U字溝や3面張りのコンクリートの川では十分に自然機能が果たせていないのが分かると思います。それらは表面的な水の流れしか考えていないのです。水は断面的にも立体的にも動きますからU字溝や3面張りのコンクリートの川が水と空気の流れを停滞させて環境悪化や災害に繋がってくるのです。
見た目はそこまで魅力的ではないかもしれませんが、これも尾瀬で見たかった一つです。「大地の再生講座」を受けた人には分かってくると思うのですが・・・。(笑)
竜宮小屋を目の前にして、僕も引き返すことにしました。
その後、土砂降り。急いで、山の鼻に引き返します。そこで、家族に合流し昼食をとり、鳩待峠に向かいます。
鳩待峠まではずーっと豪雨で次男は抱っこで写真なんて撮る暇なく、むしろ何かの訓練?!トレーニング?!という感じでした。(笑)
丸沼高原スキー場のキャンプ場の次の日は快晴という、運(雲)の無さ。
夏の良い思い出となりました。