掛川 小笠山登ってきました。

先日のこと、コロナで自粛モードの中、せっかく休みも取れたのに家に閉じこもっているのもと思い、急遽、家族で小笠山を登ってきました。近くに住んでいながら初めて訪れます。
標高265mの低山です。山登りと言うと頂上を目的地として道中を楽しむことが多いと思いますが、ここでは、下の写真の断崖の六枚屏風を目指します。
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小笠神社の下の駐車場に車と止め、スタートです。コナラやモミジなど落葉樹が芽吹く時期で、雑木の一番魅力的な時期に来れたことに感謝です。
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小笠神社前の桜は満開でちょうど見頃でした。
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リョウブの新緑と美しい幹肌、ミヤマツツジの美しさに魅了されます。
常緑樹は、比較的海が近いからでしょうか、ウバメガシが多く、その他にはソヨゴやヤブツバキやヒサカキ、アセビなど林床の樹種も豊富、アカガシなどこのあたりでは珍しい樹種もあります。色々な樹種も楽しめる山だなと思いました。
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しかし、この山でも松枯れやしっかりと根が張れずに倒木してしまった樹々が見られ心傷みます。それだけ土中の空気循環が滞っているのだと思います。どこもかしこも山は傷み悲鳴をあげています。自然は無口ながら、自らの命と引き換えにしっかりと危険信号のメッセージを送ってくれている。このメッセージを人はいつまで無視し続けるのでしょうか?暮らし方を考え直す時期にきていると思います。人も自然の一部。人の営みが自然にもプラスになるような暮らし方が求められると思います。
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途中、断層も拝見できます。
玉石などの礫層がよく見られ、このことからおそらく大井川の影響を受けているのだろうと思われます。
大井川によって運搬されて貯まった砂利などが隆起して小笠山を形成したのでしょう。(おそらく)
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小笠神社を目指す途中、行者さまに拝み、その隣の力強い木に勇気をもらいます。
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長い長い階段の向こうに神社の境内があります。
やっと神社につきました。
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この日は、天気も良く、牧之原台地の地形がよくわかります。左奥には富士山も見えました。
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反対側では、遠州灘が見えます。海が近いことがわかりますね。
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もう少し、歩いてベンチと椅子のある展望台で昼食です。
簡単にコンビニで買ったカップラーメンとおにぎりで済ませす。でも、山で食べるカップラーメンってホント美味しいですよね。
ビールを持って来なかったことにちょっと後悔・・・。
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景色もいいです。
掛川の市街と奥にはまだまだ雪が残る南アルプスが拝見できます。今年も南アルプスでフライフィッシングができるように仕事を頑張ります!
さて、ここから頂上を目指します。
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道中、よく観察すると色々な発見があります。長男がトカゲを捕まえたり
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イノシシが水脈を改善していたり、
飽きさせないでくれるので山登りは楽しいです。
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両脇は崖で道幅が細いのスリル満点の登山道も進みます。
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頂上つきました。ここでは、景色が眺めることができないのがちょっと残念ですね。
ここからは、目的地の六枚屏風を目指します。
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途中、こんなところ通るの?と言う険しい道があったり(実際、迷いましたが)、落葉樹の新緑とミヤマツツジのコラボの風景に癒されたり、
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あと、もう少しです。
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着きました。六枚屏風の入り口です。
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人と比べると、かなりの落差があり狭いことが分かると思います。
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奥に入ります。
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礫層が実感でき、谷が深いことがよくわかります。大地の呼吸口のようにも思えます。
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大人の体でも通りずらい奥までいき、鬼がいたよ!と子供をビビらせ引き返します。年中になったばかりの次男にはまだまだ効きます(笑)
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入り口の方を見ると光がまた、綺麗です。
水や風によって侵食されたのだと思いますが、自然の力強さや美しさには人がつくるものには叶わないなと感じられます。
人の力は自然の前では無力だなと実感できます。自然に力で立ち向かおう、抑え込もうとするのではなく、逆に自然を味方に応援してもらうような空間づくりや暮らし方を見直すきっかけになりした。

小笠山、途中、険しい道もありましたが、まあーそれを登り降りすのも楽しいですし、樹種も豊富なのでおすすめできる山ですね。近場で思い立ったらすぐ行けるのがまたいいですね。
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帰りにヒカゲツツジも発見。
また、機会があれば登りたいです。秋もいいかもしれませんね。

2020-04-12 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

尾瀬ケ原散策&丸沼高原キャンプ

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夏休みに家族で丸沼高原でテントを張りキャンプをし、尾瀬ヶ原を散策してきました。
鳩待峠までマイカーで入り、スタートです。
まずは、山の鼻を目指します。標高1600m程、肌寒く、小雨がたまに降る中ブナの森を石の階段で下って行きます。
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斜面にそそり立つブナはしっかり大地を捕まえ生きています。力強さを感じます。
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途中、小さな川も現れます。
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石にはコケがはびこり、大小様々な枝も見られます。
水は、有機物に触れて浄化され、また、泥をそこで止め、地中に潜ったりまた地表に出たりを繰り返し行き来しているのでしょう。
この石と枝のバランスが絶妙。水の勢いをコントロールする術を自然は知っているのですね。
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林内には倒木した木も見られます。
自分の命と引き換えに新しい命がそこに宿ります。山の命のバトンリレーが生きる力を僕ら人にも与えてくれます。
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山の中にはいろんな水の流れがあります。石が多くあるところ、石が少なく有機物多めの湿地ぽい流れのところ。
土質や地形が変われば水の流れるスピードや量も代わり、要は水と空気の循環の仕方が違うのだと思います。
そこの水と空気の循環によって息づく植物の植生も変わってくるのですね。

IMG_3100山の鼻で休憩をはさみ、尾瀬らしい風景の一つ、川沿いに栄養豊富な土が運ばれて木々が生息しやすい環境になってできる拠水林を抜け、いよいよ尾瀬ヶ原に出ます。
IMG_3128湿原が広がる中、ずーっと続く木道を歩きます。
尾瀬ヶ原の大きさを感じ、ゆったりとした時の流れも感じられ、ちょっと天気が残念でしたが尾瀬らしい風景に出会え感動しました。
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5歳の長男、この日から3日後に3歳になる次男も一生懸命歩きます。
IMG_3131キンコウカかな。
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次男坊、何かを見つけたみたいです。
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ミヤマワレモコウ。
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コバギボウシ。
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オゼトリカブト。
この時期、花はあまり咲いていない時期ですが、綺麗な花に出会えました。
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木道挟んで両手には、池がポツポツとみられます。
この池、地糖と呼ばれているそうです。

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地糖は岸から急激に深くなっていて断面を描くと壺形になっているそうです。
水は高いところから低いところに動くので、湿原でもやっぱり緩やかだけど水が動いているんですね。そこには水だけでなく空気も動き、尾瀬ヶ原ならではの緩やかな水と空気の循環があり、この気象環境と地形や土壌の大地の環境にあった動植物が息づくのでしょう。
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ヒツジグサかな。白と黄色のコントラストが美しいです。

IMG_3225長男は一人で頑張って歩きます。
去年夏の上高地では「抱っこ、抱っこ」とせがんできたけど、今年はそんなことも言いません。頼もしくなりました。
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次男はこんな感じです。(笑)
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雲行きが怪しく、牛首分岐で家族会議です。
僕は、もう少し先に進みたかったのですが、次男のこともあり、家族は引き返すことにし、僕だけもう少し先を目指しました。
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尾瀬ヶ原には湿原と言われますが、大小様々な川が流れています。
湿原と言うと水が停滞してるのかと思いがちですが、川の流れがあると言うことは、ここでも水の循環がしっかりあると言うことですね。
川の水が流れればその川に向かって、表面だけでなく断面的にも水が流れているはずです。
これらの川が池塘と並んで尾瀬の生命線になっていることでしょう。ここを都市環境のようにコンクリートなどで護岸工事をしてしまうとこの風景は見れなくなります。人の開発が入らないことを願います。
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竜宮現象。
流れてきた水が突然姿を消して、50mほど離れた地上に湧き出る現象で、つまり、地下に水の流れる水脈が通っていると言うことです。
この穴が、竜宮城まで通じているに違いないと考えられ、この名前がついたそうです。
水は、地上や地下を行ったりきたりしているのがここで証明してくれました。水は表面だけで流れていないということです。U字溝や3面張りのコンクリートの川では十分に自然機能が果たせていないのが分かると思います。それらは表面的な水の流れしか考えていないのです。水は断面的にも立体的にも動きますからU字溝や3面張りのコンクリートの川が水と空気の流れを停滞させて環境悪化や災害に繋がってくるのです。
見た目はそこまで魅力的ではないかもしれませんが、これも尾瀬で見たかった一つです。「大地の再生講座」を受けた人には分かってくると思うのですが・・・。(笑)

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竜宮小屋を目の前にして、僕も引き返すことにしました。
その後、土砂降り。急いで、山の鼻に引き返します。そこで、家族に合流し昼食をとり、鳩待峠に向かいます。
鳩待峠まではずーっと豪雨で次男は抱っこで写真なんて撮る暇なく、むしろ何かの訓練?!トレーニング?!という感じでした。(笑)
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丸沼高原スキー場のキャンプ場の次の日は快晴という、運(雲)の無さ。
夏の良い思い出となりました。

 

2018-09-04 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

晩秋の八ヶ岳倶楽部〜蓼科高原

先日、11月の半ば頃に信州方面に行ってきました。もう、紅葉は終わりもう少し早く行けば良かったのですが、人は少なく静かで新たな発見もありそれはまた良かったです。
まず、始めに訪れた場所は、柳生博さんが30年掛けて造った雑木林がある八ヶ岳倶楽部に向かいます。長男の真吾さんの件は残念でなりません。ご冥福をお祈り致します。IMG_3133
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ご覧のように落葉していました。でも、地面に落ちたたくさんの葉っぱを見て息子は大はしゃぎです。
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大きい葉っぱや赤いモミジの葉っぱやドングリを探してコンビニ袋に入れてコレクションしています。子供は何でもおもちゃにしてしまいます。2歳児の片言の言葉には「これ大きい!真っ赤なの!、どんぐりあった!」もう、無我夢中です。普段の生活ではこんなにたくさんの落ち葉はなく興奮している様です。落葉しているなと分かって少し残念でしたが子供の笑顔を見てやっぱり来てよかったなと思います。
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ウッドデッキにはカラフルな落ち葉が化粧をしているようです。こんな絵もこの時期だからこそ楽しめますね。
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そして、ここに来たら必ずいただく果物満載のフルーツティー。
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体だけでなく心も暖まります。
八ヶ岳倶楽部を後にし、蓼科湖に少し立ち寄ります。
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ここは、少し紅葉が残っていました。
次に向かったとこは、『蓼科大滝』
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ここは、観光客もいなく穴場スポットではないでしょうか。お勧めです。何がおすすめって、車を止めて大滝までの10分程度の山道がすごいのです。
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苔むした石畳の山道の廻りは根が上がったサワラの原生林になっています。
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石を包むように、そして、くねくねと幹を曲げて幻想的に生息しています。ジブリのもののけ姫の世界のようにも思えます。
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しかし、なぜ石を包む様に生息しているのでしょうか?誰か分かる人教えて欲しいです。。。
近隣の道路の開発や土木造成などが進み、環境が変わり山の中に水が走るようになってしまい、表土が流れてしまったのでしょうか。一度倒れ掛かったけど、その更に下の部分の水脈は健全で生き延びれたのかな。なんて推測してみます。また、違う季節にも来てみたい場所です。
次の日、車山高原の草原を横目にビーナスラインを走ります。
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白樺湖に富士山を眺めしばし休憩。
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着いた先は、八島ヶ原湿原。1年に1mmずつ堆積する泥炭層の厚さは約8mもあるそうです。1万2千年の時が造った自然の美しさに圧倒されます。いつか、インタープリターと一緒に散策してみたいですね。

最後に訪れたところは、長門牧場。ここへはピザを食べにきました。本格的なピザ釜があっておいしいと評判です。
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評判通りとてもおいしく、大満足です。
草原もとても広く子供が走り回るには格好の場所です。
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天気も良い日だったので景色もよく、とても気持ち良いところです。
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今回の旅は普段訪れる季節とずれることでのんびり出来たのと新しい発見などもあり、十分に楽しめました。自然は裏切りませんね(笑)

2015-11-25 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

天竜の山で

天竜の山で木こりをやっている友人が山を借りたというので、大工さんとデザイナーさんと一緒に天竜の山に行ってきました。
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木こりの友人は、『山を借りたら古民家もついてきた。』と話し、その古民家は築100年程らしいです。外観は見てもすぐ分かる位傾きはひどく修繕は大変かなと思わせる位の状態ですが、中を見ると建具の状態はとても良く、住む状態まで持っていくことは難しいかもしれないけど人が集まれる程度ならなんとかなるかなという感じでした。
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向かって右側には納屋と馬小屋で使用していた小屋が残っています。
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軒の水平ラインが美しく建築の納まり的にも面白いと大工の友人は言います。
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ここら辺の集落は室町時代から続くみたいで、この場所も室町時代から建て替えて住まわれた場所だそうです。西側へ廻ると室町時代からとまでは言わないが古い時代につくられたであろう石垣が残っています。そこには生垣で使われていたのでは無いかと思われるマキの木が巨木化して生息しています。
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調べてもらった杉の木は樹齢500年らしいです。
ここでも水脈の話しが頭をよぎります。空積みで積んだ石積みと地形高低差があるところでは水脈が健全で水と空気の流れが豊かなのでしょう。この環境では樹々は根を伸ばし大木になることがでるのでしょう。
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そしてこちらの木は中は空洞化でも幹内部から不定根という根を地面までおろし地中から養分を吸って未だ生きています。
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幹内部は空洞化になってしまい弱くなってしまったが幹の端を巻き込み倒れないように自ら形を変えがんばっています。木の生命力は凄いです。感動させられます。
犯罪が多くなってきた世の中、命の学習は中々家庭でも学校でも教育は難しいです。こういう自然環境の中で学ぶものなのかもしれません。この山を子供達が命の学習をできる学びの山になってもいいかもしれませんね。
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建物の南側は開けていてそこからは晴れていれば遠州灘が見えるそうです。
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建物の奥が借りた山。山手前には大人二人では手が廻らない程の楠が見えます。その奥は杉やヒノキの人工林、更に奥に行けば、広葉樹が残っています。
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大木の楠まで行って、今日はここまで。3時間程、木のこと、山のこと、土のこと、古民家のこと、水脈のこと(笑)などなど、話しは尽きません。持ち主でない僕もなんだかワクワクしてきました。この山をこれからどうしていくか、もっともっと一般の人でも魅力的や山にしていくか、ぼくも微力ながら協力させて頂きたいと思います。

2015-07-12 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

日光東照宮 世界一の杉並木

深岩石の採掘場の見学し車を走らせ日光東照宮へ向かいました。道中、総延長35.41キロメートもあると言われる世界一の杉並木を通ります。
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近年では樹勢が衰え修繕工事がされているそうですが、400年も生息し続けていることに感動します。これも、植栽時に水脈のことなど考え地形に高低差をつけるように植樹したからでしょうか。そんなことを考えてしまいます。あたり前のこととして昔の人は水や空気の流れを考えて施工していたのでしょう。昨日、今日と千葉の高田造園設計事務所さんのフィールドで行われた『大地の再生講座』で矢野智徳さんの言葉を思い出します。(高田造園設計事務所さんのフィールドで開催された矢野智徳さんによる大地の再生講座についてはまた後日ふれたいと思います。)
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境内は杉の大木に圧倒されます。
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石積みと共存する杉の大木を見ては、コンクリートで土留めをする現代土木と比較して明らかに写真の方が良いと感じます。
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石にコケがのり周囲の緑と調和した景観はコンクリートには出せません。水や空気の通り道ができるのも石積みの利点だと思います。また、杉の根が張ってもびくともしない石、しっかりとした技術を持てば石積みと樹木は共存できることが分かります。強度的にもコンクリートより優れているのではないかと感じさせてくれます。
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中へ進みます。
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「見ざる、言わざる、聞かざる」で有名な三猿
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「眠り猫」
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家康の墓へと向かいます。整備された切り石の土留めと舗装、杉並木には神秘さを感じます。
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家康の墓所、「奥社宝塔」
その他、境内内は現在、平成の大修理中でした。

5月に行う浜松城近くのホテルでお茶会を行いますが、その席では席主代理を勤めさせて頂きます。家康のお墓もお参りできたのでうまくこなせるかな。(笑)

2015-05-14 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

伊豆半島の旅 〜森の力、石の迫力〜

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ゴールデンウィークはお休みを頂き家族で伊豆半島に旅行へ行ってきました。森を構成する全ての物からパワーをもらいまた、リフレッシュさせて頂きました。
写真は旧天城トンネル付近です。谷間を流れる渓流の水の光やせせらぎの音などには癒されます。そのせせらぎの音は木の葉が風にそよぐ音や鳥のさえずりまた、落葉を踏み込む音までを取り込み奏でる音色は普段の生活には聞くことができない非日常的な音色で心を和やかにしてくれます。
流れを見ては、高田造園さんや矢野さんの言葉を思い出します。自然界には一定的な傾斜はなく水は勢いが出たら深みを作り、力を調整していることがよく分かります。
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こちらの写真はカツラの大木です。樹齢何年でしょうか?!この木を見て驚いたのはどんどん若い木に更新しているところです。
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老木は役目を終えて倒れてはそれが栄養分となり若い木に渡すことを繰り替えしています。
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老木の倒れ方も若木を思って倒れているところが分かります。地面に突き刺さるように倒れています。地面に刺さった枝はいずれ朽ちて土の栄養分となりまたそこが空気や水の道となるのでしょう。この木を見ると木っていうのは寿命はないのではないかと感じます。豊かな環境であれば永遠に生き続けることができるのではないでしょうか。
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この木は大きな石を抱え込んでいます。それでも倒れずに生き続けていけるですね。強風がきてもきっと周辺の樹々が風よけとして助けてくれるのでしょう。木はどんな状況でも生きようとしています。国立市のさくら並木のことを思い出します。本当にあれは伐採すべき木だったのであろうか。ちょっと、考えて手助けをしてあげれば樹勢も回復し木と人が共存し安全で安心する街路が形成できたのではないかと思われます。
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こちらは旧天城トンネル入口です。トンネルの上部付近も植生は豊かです。トンネルの構造は全て切り石でできています。コンクリートを隙間無く頑丈に固めすぎない構造、ちょっとの隙間が水と空気の流れが生まれるのがいいのかもしれませんね。
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場所を移してこちらは伊豆石切り石場跡地で今は霊廟として利用されています。伊豆は石の産地としても有名でした。浜松の笠井町付近では石の蔵が今でも多く残っていますがあれは伊豆石を使っています。かつては、天竜の山で木材を船で天竜川を下り江戸まで運びその帰りに伊豆で石を積んで浜松に戻って来たとのことです。
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まるで古代遺跡に来たように感じます。

旅行の一部を紹介しましたが、十分に充電ができたゴールデンウィークでした。ご提案を通してみなさまに還元させて頂きたいと思います。

2015-05-07 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

2014夏旅2〜那須高原〜

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まずは、朝食前の散歩からはじまります。朝靄の立ち込める清々しい朝です。宿周辺の樹木はミズナラ、シデ、ヤマザクラ、ヤマボウシ、リョウブ、エゴノキが見られます。
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近くには小川があり、水の流れる音には癒されます。水質もとてもきれいです。水がきれいなのもこの雑木林があるおかげなのでしょう。
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アスファルトも苔むしていてどこを通っても気持ちよく感じます。散歩コースには困りません。
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所々、足下にはコバノギボウシが咲いています。透き通る清楚な花なですね。
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場所を移し、ここは、日光国立公園「那須平成の森」になります。元々は、那須御用邸であり、その半分の敷地を自然環境のモニタリング調査やフィールドセンターや歩道など整備し国民が自然に直接ふれあえる場としての国立公園となったそうです。
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園路はウッドチップも敷かれふかふかしとても歩きやすく、夏の日射しを遮る雑木が木陰を造り涼しく癒してくれます。正にお陰様です。この暑い夏だからこそ陰の有り難さを感じます。その陰様は目紛しい日常生活から解放され心を身体をリフレッシュさせてくれます。
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廻りを見渡すとミズナラが優先種で多く生息しています。その下にはコハウチアワカエデが軟らかく枝葉を広げています。ミズナラが日射しを遮りその下の優しい光があるからカエデが自然に軟らかく生きているのですね。木は一本で生息しているのでなく廻りの樹々と寄り添ってお互いが助け合いながら生きているのが分かります。庭作りでもなるべく自然の森のように樹々を配置しなければなりませんね。僕らが緑の力を利用し快適に過ごしたいなら樹々達にも快適な環境を与えなければなりませんね。自然の森のような庭を目指し、樹が過ごしやすい庭作りを考えていかなければなりません。
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そして、1歳半の息子と一緒に葉っぱの学習プログラムに参加しました。今から英才教育です(笑)カードに書かれたお題の葉っぱを探すゲームです。お題は色や大きさ、感触など葉っぱの特徴は様々あります。
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場所を移しこちらは、乙女の滝。
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しばらくここに佇みたくなる風景です。流れと樹の組み合わせは格別です。樹がどうやって伸びているか、流れの石の自然な配置など見所たくさん、自然から学ぶことは多いです。

夏期休暇で心癒されリフレッシュと共に学ぶことも多く更に住まい造りに意欲が沸きました。各現場で活かせていければと思います。

2014-08-26 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

2014夏旅1〜大谷石採掘場跡地、芦野石ストーンプラザ〜

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お盆休みを利用し北関東の地を訪れてきました。
始めは、ぼくの外構・造園現場でもよく使用する大谷石の採掘場跡地を見学です。大谷石は、フランク・ロイド・ライトが設計した帝国ホテルが有名ですね。地下へ入るとひんやりとします。真夏なのにこの日は11℃そして、巨大空間にびっくりします。
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昭和35年に掘削が機械化され、壁についた縦の溝は丸鋸の跡になります。しかし、それ以前は、人力で掘削していたそうです。1石を掘り出すのにツルハシを4000回ふるったと言います。昔の人のパワーと忍耐強さにもびっくりします。
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写真の白い霜のような結晶体はゼオライトになります。この大谷石が持つゼオライトが多くのシーンで効果を発揮しているそうです。癒し効果やガスや水を吸着や消臭にも有効です。そして、ぼくらが扱う樹木にも効果があります。
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採掘場の外は大谷石の岩盤なのに樹々に囲まれています。これもゼオライトが保水、保肥力などの効果を高めてくれているからでしょう。
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天然の洞窟の中にすっぽりと包まれた大谷寺を参拝。本尊の大谷観音は、岩彫りの千手観音は素晴らしかったです。(撮影禁止でご紹介できませんが。)
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隣接する平和観音には圧倒されました。岩壁に掘られた高さ27mにもなります。これらも大谷石は他の石に比べて軟らく加工しなすいから、施工できるのでしょうか。
大谷石は見た目も素晴らしいですが、効果なども考えてもっとこれからの携わる現場では多くのシーンで提案していきたい材料の一つになってくると思います。大谷石の魅力を更に発見できてよかったです。
大谷町を離れ次に向かった先は芦野石の産地にあるストーンプラザになります。
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隈研吾さん設計の芦野石をメインに使った石の美術館になります。大谷石と比べて芦野石は色合いは黒グレーっぽくなり硬くなり劣化が少ないのが特徴になると思います。モダンで上品な現場には大谷石より芦野石の方が合うかな。
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雨に濡れた芦野石も美しく見えます。
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切石の小端を積み重ねたボーダー状の芦野石の壁が美しく感じます。施工も大変だと思いますが、おさまりを考えるのも一苦労ですよね。天然石が持つ微妙な色の違いのコントラストもきれいですね。芦野石、大谷石と合せてこれからの現場で使用していきたいです。
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そして、この日は那須高原に宿泊。ここでは、ヤマボウシの実が既に色づいていました。ここでは秋が始まっていました。那須高原の旅レポはまた次回で。

2014-08-18 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

紅葉を楽しみに八ヶ岳倶楽部へ

八ヶ岳倶楽部

もう1ヶ月前のことですが、紅葉を楽しみに八ヶ岳倶楽部に行ってきました。今回で3回目の訪問です。前回は夏に行ってきました。

夏の八ヶ岳倶楽部2

こちらは、夏の写真。雑木林の合間にある枕木のアプローチを歩くのがとても気持ちよく、枕木に映る木陰が涼しく、木漏れ日は美しくも感じます。

柳生さんと

この写真のお方は、ここのオーナーでもあり俳優でもある柳生博さん。本を購入したらサインと写真を一緒にとってくれました。柳生さんは元あった自然の雑木林を取り戻したくて荒れた人工林を自ら整備し、今の雑木林を作られました。30年掛けて地道に作れれたそうです。柳生さんの本を読みこの人の情熱と未来のための思いなどには感動させられます。また、先日の高田造園設計室の高田さんのブログを思い出します。豊かな自然を取り戻すにはどれだけ大変か!伐採は簡単なことであり、一度伐採したら簡単には元にはもどらない。お金のため、一握りの人の良い思いのために、自然豊かな緑をなくしてはなりませんね。
今回の訪問は、柳生さんに「夏も良いけど、秋の紅葉もいいぞ。また、おいで。」と言われ、雑木と柳生さんの魅力にひかれ、また来ました。

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雑木林は夏と違った表情を見せてくれました。緑、黄、赤、茶・・・様々な色が楽しめます。

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子供たちも雑木林が楽しそうです。

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落ち葉のじゅうたんも素敵に見えます。

秋の八ヶ岳倶楽部 落ち葉

落ち葉をめくるとフカフカの土があります。落ち葉が堆積し土になっていったのが分かります。落ち葉もゴミでなく資源ですね。

秋の八ヶ岳倶楽部 フルーツティー

夕暮れ、肌寒くなりお店の中に入り、ここの名物のフルーツティーを頂きます。
そして、外を眺めると、

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ライトアップされ始めた雑木林はまた違った表情を見せてくれます。

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季節だけでなく、その1日の中でも見え方が全く違います。ここがまた雑木の魅力です。
この雑木が自宅の庭にもあると心豊に過ごせると思うのです。

そして、建築が増えると緑が減るのではなく、『建築が増えると緑が増える』そんな住まいを提案していきたいと思います。

2013-12-09 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

軽井沢 旧軽井沢〜吉村順三別荘

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昨晩は、雨風が大分降ったようで、朝、外に出ると落ち葉がたくさんでした。

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ここでもやはり、落ち葉は絵になります。落ち葉は、楽しむものですね。

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そして、向かった先は、旧軽井沢地域。まだ、もやが掛かっていました。でも、それがまた良い雰囲気を醸し出してくれます。

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この辺りは、木々に囲まれた別荘も多い地域です。主役は、建物ではなく、周辺の雑木林ですね。このローケーションが欲しくてこの地に別荘を持ったのでしょう。

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こちらは、場所を変えて旧軽井沢銀座の裏手。この民家も雑木に囲まれています。木々は、2階の屋根まで超える大きさです。木は大きくなっていいのです。軽井沢の地だからできるのではなく、意識の問題だと思うのです。落ち葉だって絵にもなります。隣地に舞ってもいいではないですか。それが自然であるし、落ち葉掃きだって1年で考えれば数日のことです。

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こちらも、背丈も大きく生き生きした木々たちが主役です。落ち葉のアプローチも素敵です。
これらの例に習って、一般の住宅でも庭から考える住宅があってもいのではないでしょうか。庭が主役の家です。よく、「庭付きの家」が欲しいと言いますが、「家付きの庭」があってもいいと思うのです。庭から考えた間取りや配置があってもいいと思います。

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そして、向かう先はこの先にあります。分かる人には分かると思います。

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雑木に囲まれた吉村順三さんの別荘があります。建築に携わる人なら一度は吉村順三さんを通るのではないでしょうか。あの巨匠がこの地に別荘を建てたというのは、やはりこの雑木に囲まれたロケーションだと思います。住まい、暮らしを考える上で外回りは切り離せないポイントの一つだと思います。建物本体だけで住まいを考えるのではなく、敷地全他、更に周辺環境を利用したプランニングを心掛けると心地良く、心豊かな暮らしが送れると思います。私は、心地良いな、気持ち良いなと感じるのは家の中より外にあり、自然の中に溢れていると思います。だから、住まいを『外』から考え、庭と建物が調和するような提案をしたいのです。
雑木の庭があると、管理が大変だと言う声もあるでしょう。なるべく管理が掛からない植え方をすればいいのです。樹木を密植する。地面を叩いて仕上げる。支柱はしない。土壌改良をしっかりする。などなど、ポイントはあります。気を掛けてあげることが一番だとは思いますが。

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2013-12-05 | Taged in | Posted in ブログNo Comments » 

 

軽井沢の紅葉の旅  ハルニレテラス〜夜の軽井沢高原教会

IMG_5286先日、紅葉を見に軽井沢を訪問してきました。紅葉はちょうど見頃を迎えていました。色付いた雑木林を抜けるとそこは、星野リゾートが運営するハルニレテラスがあります。IMG_5325途中、ニシキギの木が葉っぱも実も真っ赤に染まっていました。
IMG_5308連休ということもありテラスは大賑わいでした。
IMG_5318ここの名の由来であるハルニレの木は葉っぱが散ってしまっていました。職業柄、これを見てしまうと残念に思ってしまいました。それは、葉っぱが散ってしまったことではなく、剪定の仕方。枝先を切るような剪定ではせっかくの自然樹形が損なわれてしまいます。『ハルニレテラス』と名が付いているのだからもう少し考えた剪定をしてほしいものです。(まあ〜小言は聞き流して下さい。)

でも、全体のロケーションは最高です。
IMG_5365すぐ脇には川が流れています。水が流れる音を聞きながら紅葉を楽しむのは格別です。
IMG_5357雑木林を抜ける親子の後ろ姿も絵になります。
IMG_5397そして、夜訪れたところは、軽井沢高原教会。ろうそくとライトアップの演出で素敵な空間になっていました。
IMG_5427教会の中では、ハープコンサートが開催されています。自然溢れる環境の中でのハープの音色は癒されました。
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IMG_5461落ち葉も絵になります。樹木を提案させて頂くと落ち葉掃きを気にされる方もいらっしゃいますが、せっかくだから、落ち葉は楽しむものだ。と思えば少しは気が楽になるのではないでしょうか。
IMG_5472雨で濡れた園路も素敵です。
IMG_5500灯りをたっぷりと浴びた誰もいない駐車場でさえ素敵に見えます。木々があるとどんなスペースでも絵になるものですね。木々は、新緑や紅葉などの四季で楽しむだけでなく、その日の朝と夜とでも表情を変えて僕たちを喜ばせてくれます。

やっぱり、住まいにも木々が必要だと思います。忙しい日々を送る中に、自宅の庭にこんな雑木の庭があったらいいと思いませんか?!

 

2013-11-16 | Taged in | Posted in ブログNo Comments »