2013-03
門袖や塀をなくし、樹木を中心にコーディネートした現場です。玄関前は幅30cmと狭いですが、緑を十分に配しました。樹木を中心にするために、表札をみせる門袖は低く抑え、H鋼と恵那石の組合せでオリジナルで作成。その門袖自体が庭のオブジェともなるようなデザインで考えました。樹木があれば十分見栄えは取れるのです。
南面道路で道路側にリビングの大きな窓があり、それをどう目隠しするかがポイントでした。閉鎖的な感じにはしたくなく、また圧迫感を感じないように、植栽を中心に目隠しをしました。樹木には、街並みの景観を良くしたり、冷気や木陰をつくったり、アスファルトや土間コンクリートの放射熱を抑える効果もあります。ただ、植栽のみでは目隠しや全体のバランスに欠けると思い、ウッドフェンスや天然石の門袖を組み合わせました。アプローチには、門袖と色合いを揃えて大判の石を浮かし立体感が出るように工夫しました。樹木もたくさん使い、玄関まで緑の中を通り抜ける心地良さも感じられます。
広いイペ材のウッドデッキを庭いっぱいに広げ、そのほかのスペースは涼しげに感じられる雑木の植栽で構成しました。接近する隣地側には、雑木と調和するようにウッドフェンスを設置。駐車場側にある雑木は、目隠しと土間コンクリートの放射熱を抑える効果もあります。
建物だけではいかにも構造物という硬い感じがしてしまいますが、植栽が入れば硬いイメージを和らげてくれて人工的なものから調和ができます。こちらの施工例では、駐車スペースを2台分確保すると、玄関の正面まできてしまいます。そこで、アプローチの取り方を玄関に対して角度をつけて斜めにしました。そうすると、三角の隙間が生まれ、植栽スペースにあてることができます。玄関の正面に植栽が入り、ドアを開けた時も家の中が見えません。階段の反対側にも植栽を植えれば、緑の間を抜ける心地良いアプローチにもなります。
「和室」と「リビング」に面している庭のプランニングです。和室前は、延段とコケを中心に構成。リビング前は、大谷石のテラスを計画し、屋外のセカンドリビングのような空間に。大谷石のテラスの廻りは、雑木の植栽で囲まれ涼しげに感じられます。飛石と砂利で繋がりを出し、庭を分けるのではなく一体感を感じられるようにプランニングしました。
樹木は季節によって葉っぱの付き方や色合いを変えたり花や実を付けたり、風や光を感じさせてくれる優れた素材の一つ。その樹木で外構の顔を作るように考えた現場です。どこに緑があると見栄えよく、心地良く感じれれるかを考えて、門袖の位置やアプローチの取り方を考えました。樹木の廻りの構造物は、樹木に似合う自然素材を中心に素材を選びました。
門袖には、コンクリートに木目の模様が映るように杉板の型枠を使用したRC打放しの塀。杉材を利用したウッドフェンス、花壇の囲みは石積み。アプローチには、2種類の石材を組合せました。全て、自然素材を利用しています。また、自転車置き場には、RC打放しの塀と板材を組合わせて、イナバ物置の外壁を隠すように計画しています。
アプローチの大谷石の敷き方は、建物に対して斜めにし門袖の中と外を繋ぐように配置し、少しでも広がりを感じさせるように計画しました。リビンク側には目隠しを兼ねてRCの打放しの門袖と樹木を配置し、アプローチをはさんで反対側にはフラットバーを組合わせたスチール製の門袖をオリジナルで作成しました。フラットバーをボーダー状にすることで、手前と中の下草や樹木が繋がるうに見せています。駐車スペースでは、コンクリートや石貼りが敷地全体や庭に繋がるようなラインを入れて演出しています。
アプローチの舗装は、人が歩くのに必要な幅だけを確保し空いたスペースに樹木を配置します。アプローチの取り方を斜めにすることで両サイドに三角のスペースが生まれ、樹木を互い違いに配置できるようにしました。樹木の間を通り抜けていく心地良さを演出しました。コンクリートのラインは敷地の端からアプローチ、玄関へと繋がるように敷地全体を使ったプランニングにし、少しでも敷地が広く感じるように考えています。
RC打放しの塀と植栽を中心に、プランニングさせて頂きました。リビングの目隠しであるRC塀の無機質な印象に、植栽の軟らかさを加えてバランスを取るようにしました。アプローチは、玄関に対して斜めに配置。アプローチを挟んで塀の反対側にも植栽が入るように配慮しました。そうすることで、玄関に入るまで植栽の間を通り抜ける心地良いアプローチとなり、玄関ドアを開けた際の目隠しにもなります。階段は、陰影を付けるようにコンクリートのスラブを張出し立体感を出しました。
高低差がある現場で、階段を大判の白御影石を浮かし、陰影を印象的に見せました。ポーチの転落防止には通常の手摺は使わずに、アプローチの白御影石と合わせて棒状の石を連続的に並べています。道路側は建物の深基礎が目立たないように土留めをし、植栽で顔を作りました。土留めには、RC打放しに立てのラインの模様を入れおもしろさを出しています。
クローズ外構をご依頼いただいた現場。単調になりがちな門袖は、向かって左側にRをつけたRC打放しの塀を立てました。Rにしたことで生まれた隙間には、下草や砂利を敷詰め、Rの中には樹木を配置し構造物の硬さを樹木の軟らかさと調和させるように考えました。Rの塀と反対側は、アクセントでボーダー状の黒い石貼りにしステップの黒御影石と合わせました。
オリジナルのフラットバーのスチール門扉は、クローズで圧迫感与えないように中を見せるようにし、アプローチの石が外と中を繋げてくれます。門扉に合わせてH鋼でゲートをつくり立体感を演出。エクステリア商品を使わずに素材から考えて作った現場になります。
建物のイメージに合わせて、アプローチのレンガを選定しました。土留めいっぱいにレンガを敷き詰めずに、隙間をあけて斜面を活かしてレンガに合わせてロックガーデンをつくりました。フェンスは端を加工してない杉材で自然なウッドフェンスを採用。門扉はアイアン。それぞれの素材の特徴を組合わせたアプローチ廻りとなりました。
大学を卒業後、大手住宅メーカーの外構造園専門会社に7年、建築から外構造園までトータルに提案するランドマークプランニングで約4年務めて、この春に独立することとなりました。
株式会社ナインスケッチの田中俊光(たなかとしみつ)と申します。
ランドマークプランニングでは、建築を含め外構造園のプランニングをさせて頂いていましたが、これからは、外構・造園を中心にプランニングさせて頂くつもりです。外廻りの空間には、暮らしを豊かにする力があります。特に、植栽(緑)の力には、かなりの可能性を秘めていて、役割もあります。
「心地良い」と感じるもの。それは、家の中よりも自然の中にあふれています。ですから、庭と建築の調和を求めて、住まいを『外』から考えていくのです。
ランドマークプランニング時代でも建築をプランニングする上では外廻りから考えていきました。全面道路の交通量や車の止め方、隣地への目隠しの配慮、道路や隣地との高低差を生かした設計、周辺環境は・・・など、住まいづくりで外部的要素が豊かに暮らす上で考えなければいけないポイントが多いのです。
多くの方に豊かな暮らしができるための外空間をご提案したく思います。今後共よろしくお願い致します。