2018-02
吉野山 特別大花見 桜中茶会 〜研修〜
4月に奈良県吉野山で特別大花見 桜茶会でお茶席を所属する社中で受持つことになり、吉野まで研修お稽古に行って来ました。
吉野と言えば、世界遺産であり、役行者が開いた山岳修験道発祥の地、また、豊臣秀吉が絶頂の勢力を持っていた頃5000人を連れて花見の宴をを開催したというのが有名であります。こんな由緒ある歴史的なところでお茶のおもてなしができるということは茶人冥利につきます。同時にお茶をはじめて数年経ち、ただただ月日だけが経ちまともにお稽古していない自分が携わっていいのかという反面もあります。この特別大花見 桜茶会は、関空から近くのヘリポートで吉野山へヘリコプターで20分で行くという吉野の桜の時期に渋滞をなにも考えずに済む夢の超VIPのプランになっております。
お茶席は、曜日によって違いますが、吉野町の文化財で元近鉄の社長の別荘である白雲荘。ここからは、ちらっと金峯山寺の本堂・蔵王堂も見渡せる絶景の場所です。大阪の懐石料理店木綿がたまに食事会を開催されているそうで、安藤忠雄さんもこられているそうです。
もう一つは、吉水神社。元は、吉水院と言われ、吉野山を統率する修験宗の僧坊でしたが、明治時代に神仏分離が行われ、後醍醐天皇の南朝の皇居であったことから吉水神社と改められました。秀吉の吉野大花見で本陣がおかれた場所です。ここでは、一目千本を一望できる半屋外の小屋と源義経や静御前、弁慶が潜居したとされる間でお茶席が設けられます。
最後は、竹林院群芳園の庭園で夜会・野点が行われます。ここの庭園は千利休が唯一作庭されたとも言われています。
どこもかしこも歴史的な特別な場所で今回のお茶会のすごさが伝わると思います。
研修の宿泊はここ竹林院群芳園。
エントランスの開放的な空間、何寸あるんでしょうか?太い柱と梁が印象的です。建築的にも見応えある建物です。
待合いの空間も趣を感じられます。
豊臣秀吉が吉野で花見をした時に持ってきたという屏風が飾られています。
また、茶弁当もあります。
こちらは、白雲荘。
まだ、芽吹いていないので、ちらっと金峯山寺の本堂・蔵王堂も見渡せます。
桜の木と手前がもみじ。新緑の頃は最高の景色になることが想像されます。
写真は2日目の研修の様子です。
17名をお客様としてお迎えし、実戦形式のお稽古です。
力不足ですが、薄茶席でお点前をさせて頂きました。
お稽古不足で間違えてしまいました。。。本番までにしっかりとお稽古し仕上げていかないとまずいですね。
次に吉水神社を参拝しました。
絶景です。
桜が満開の時には素晴らしい風景になることでしょう。
しかし、よく見ると、桜の木のふもとは、土が露出し一部は崩れているようにも見えます。世界遺産とされる場所でも山は傷みはじめているんだなと思うと悲しくもなります。吉野の桜は、役行者が蔵王権現を桜の木に刻み山に祀ったとされます。本尊を刻んだ「桜」こそ「御神木」としてふさわしいとされ、また、金峯山寺への参詣もさかんになり、御神木の献木という行為によって植え続けられてきたそうです。
その過程で美しい桜の名勝となったのに桜を観光目的だけで人都合だけで桜だけを生かそうとしても難しいのではないかなと思います。素晴らしい桜の風景をずっと保たれるように基環境から改善していく必要がありそうですね。
その中で、僕の尊敬する高田造園設計事務所の高田さんはじめ地元の方々の活動は素晴らしいものだと思います。リンク先を是非ご覧ください。
義経・静御前潜居の間で佐藤宮司のお話を伺いました。ここでも、お茶席が設けられます。
佐藤宮司のお話が面白い。
武士道と騎士道の違いは、武士道は桜。騎士道はバラ。桜とバラは似ているけど違う。桜はいかに美しく散るか、バラはいかに美しく咲くか。ただ、どちらも美しく咲き、美しく散るのは同じだ。
宮司になった頃は日本がまほろばになって欲しい。今は、世界がまほろばになって欲しい。美しく豊かで平和な国、世界になって欲しいと願っています。
こういう場所を使っていただき、歴史と文化の中に侘び寂びという日本の本来の姿を世界に感動させて欲しい。というお話をして頂きました。
当時のお花見の様子です。
最後に、佐藤宮司と記念撮影をさせて頂きました。
最後に、金峯山寺を訪れて今回の研修は終了です。
吉野の地に行き、歴史や文化に触れ、人の思いなど伺い、この茶会が偉大なることを体感しました。このことを心に刻み4月の本番に向けてお稽古に励みたいと思います。
三協 EXTERIOR DESIGN CONTEST 2017 作品集 掲載
三協 EXTERIOR DESIGN CONTEST 2017 ファサード部門においてゴールドデザイン賞を受賞した施工事例が掲載されています。
【業界紙】エクステリアワーク2018年2月号 連載開始、記事掲載
『大地の再生』というテーマで連載させて頂きます。
昨年11月に全国6都市で開催されたユニマットリック主催の講演会に登壇致しました。そのときの様子が記事掲載されています。
三協アルミ「エクステリアデザインコンテスト2017」 受賞式
三協アルミ「エクステリアデザインコンテスト2017」のファサード部門でゴールド賞を頂き、授賞式に行ってきました。
会場は名古屋のホテルナゴヤキャッスル。
名古屋といえば、僕も住友林業緑化時代に勤務したこともある場所です。
また、授賞式には住友林業緑化時代の上司や先輩社員も来ていました。当時の懐かしい話や近況話しもでき、再会できたのが嬉しかったですね。
授賞式の始まりです。
今回のコンテストでは、全国で全部門合わせて3000点以上(詳しい数を忘れました)の応募があったそうです。その中で、ゴールド賞を頂けたのは、嬉しく思います。
また、提案させて頂いた外構エクステリアプランを受け入れてくれたお施主様には感謝致します。
外構エクステリアのプランニングのポイント
現場のプランニングのポイントを説明しますと、
「季節の移ろいを感じる緑豊かな空間で、カーポート2台分と予備用1台の駐車スペースの確保と門扉を取り付けたクローズな外構にしてほしい」というのがお施主様のご要望でした。
緑豊かな空間にするには、雑木の木立を点在させることです。
3台分の駐車スペースを単純に並列に配置すると残されたスペースでは門袖、門扉などを確保すると単純な長方形の形になってしまい、緑が偏ってしまいます。
これでは、一般的でつまらない外構プランになってしまいます。
車の配置が重要
そこで、3台目の駐車スペースを大胆に斜めに配置するようにしました。
すると、手間や敷地隅や奥の方に三角の植栽スペースが生まれるのです。
門袖の中や庭へと緑を点在させて緑に包まれる建物の佇まいにすることができました。
木陰が床面や門袖に映り、光や陰、風までも感じ、季節だけでなく時間の移ろいを感じられる心地よい門廻りとなりました。
色合いや質感の調和を整える
その緑豊かな空間にはカーポートは通常の4本柱ではなくオープンな明るい感じになる後ろから2本柱持ち出しのカーポートを採用し、全体の色合いや質感のコーディネートはステンカラー系でアルミは揃え、門袖は杉板型枠にしアルミ材や植栽との調和を整えました。
アプローチや駐車場の土間コンクリートの目地のつけ方も単純に車の配置の区割りにするのではなく、敷地いっぱいを使い長く奥行き感の出るような目地のきり方をし、アクセントには斜めの門袖に合わせて石張りもコーディネートしました。
植栽は自然に習って木立をつくるように
植栽の仕方も重要になってきます。緑豊かにするには単純に1本単位で植えてはいけません。
また、カーポートのボリュームや建物が緑に包まれる佇まいにすることを考えると2、3mの樹木では低すぎます。5m程度の樹高は必要になってきます。
自然の山では1本で木が生息しているところはありません。高木、中木、低木、草類と階層的にまた寄り添って生息しています。高木にとって中低木は幹や根元を強い陽射しや風当たりから守ってくれています。中低木にとって高木は直射日光を遮ってくれ木漏れ日の優しい光だけを届けてくれています。お互い守り合う環境をつくり、助け合いながら生息しているのです。
木にとって過酷な住宅地環境は1本単位で植えつけては傷み出してきます。傷めば病害虫も発生し管理に手間がかかります。管理が大変だからと言って木の大きさを小さくしたり数を少ない本数にするのはおすすめしません。
木が健康に生息してくれて本当の緑豊かで心地よい空間がつくれると思います。
自然素材とエクステリア建材の調和をとる
心地よい空間は緑など自然素材を使い、自然に寄り添うことだと思っております。山に行った時に心地よい空気感を感じるのは誰もが経験していることだと思います。心地よさは、自然の中に溢れているのです。
僕は、外構や庭を通して心地よい住まいや空間を提案できればいいなという思いで仕事に取り組んでいるつもりです。だから「雑木の庭」という切り口で提案させて頂いたり、「大地の再生」の活動にも取り組んでいます。
田舎暮らしやパーマカルチャー的な暮らしに憧れはあるけど現実的に、仕事など今の生活環境を全て変え、その方向にシフトするにはハードルが高いなと感じる人も少なくはないと思います。
だから、現実社会と理想の暮らしの融合が必要だと思っております。外構や庭のプランニングでも全て自然素材で組み合わせで作れば本当に心地よい空間はつくれると思います。しかし、金額面や性能や機能面などを考えるとエクステリア建材を使うこともありだと思います。
これからの外構エクステリアには自然素材とエクステリア建材の調和が必要になってくると思います。そこが、心地よくて暮らしやすい住まい実現のカギになるでしょう。